井上尚弥戦を望むIBFフェザー級チャンプ
「WBO王者のラファエル・エスピノサとの統一戦でもいいし、井上尚弥だっていい。誰とだって戦う。すべてのチャンピオンとやりたい」
新チャンピオンはそう言った。
2024年8月10日、ニューメキシコ州アルバカーキ出身のアンジェロ・レオは故郷、ティングリー・コロシアムでルイス・アルベルト・ロペスに10回KO勝ちを収め、IBFフェザー級タイトルを獲得した。
30勝(17KO)2敗のロペスにとっては、4度目の防衛戦。レオはファーストラウンドから、自分の距離を保った。ロペスの攻撃を足で捌き、接近戦でも王者のパンチをブロックで封じた。そして、左フックに合わせた鋭いオーバーハンドライトのカウンターを放ち、勢い付いた。
ラウンドを重ねるにしたがって、ロペスは消耗していく。5回、ショートレンジで起死回生の右アッパーをヒットして、やや劣勢を跳ね返したかに見えたが、6ラウンド2分にレオの右ストレートを浴びる。
7、8回はロペスがチャンピオンの意地で粘りを見せた。9回もクリンチを多用して凌ぐ。レオはボディブローを何度も放ち、顔面へは右ストレートでポイントを稼いだ。
そして迎えた第10ラウンド1分、レオの放った左フックがロペスの顎を打ち抜き、チャンピオンはキャンバスに大の字になる。立ち上がりかけたが、レフェリーがカウント・テンを数えた。
WBOスーパーバンタム級チャンピオンのレオは、同州出身のジョニー・タピアとダニー・ロメロに続き、2階級制覇を成し遂げた。
勝者は言った。
「故郷で戦うことは私にとって、大きな意味がある。この瞬間をずっと待ち望んでいた。前にも言ったように、世界タイトル戦をノックアウトで勝つほど幸せなことはない。
この左フックは、キャンプで4~5か月練習してきた。ジムではなく、部屋の鏡の前で何度も左フックを放ち続けたんだ。10ラウンドにそれが功を奏した」
2020年8月のWBOスーパーバンタム級空位決定戦に出場した折、レオは住居をラスベガスに移し、フロイド・メイウェザー・ジュニアのアドバイスを受けた。当初、同ファイトはレオと、ステファン・フルトンで決まっていた。が、試合3日前にフルトンの新型コロナウィルスの感染が明らかになり、急遽トラメイン・ウィリアムズが代役を務めることとなる。
レオはウィリアムズに勝利したが、初防衛戦でフルトンに判定負けし、無冠となった。御存知のようにフルトンは昨夏、井上尚弥に2本のベルトを奪われている。レオが井上を意識するのは当然だ。
レオも将来、モンスターの対戦候補に挙がるのか。