西田選手が代打で大仕事!公式戦ではプロ初のサヨナラヒット《9/2 阪神ファーム》
鳴尾浜に中日を迎えての3連戦だった阪神ファームですが、3日は雨のため正午前に中止となりました。この試合後に移動(中日は広島へ)という両チームなので、少し余裕を持って行けたかもしれませんね。阪神はソフトバンク3連戦に向け福岡へ向かいましたが、あす4日はヤフオクドームで10時10分開始の試合。早く行って早く寝られるのは何よりです。早く寝てくださいよ~。
3日の鳴尾浜で先発予定だった榎田投手は中継ぎでの登板に変わるんでしょうね。また4日は、1軍登板が飛んでしまった秋山投手が先発するようです。そのあと5日は岩貞投手、6日は松田投手の九州勢が先発と聞きました。雨男さんが投げる4日と5日は晴れマークだけど、そうでないはずの6日が怪しい。むむむ…。
中日戦のサヨナラ勝ちは今季3度目!
では2日に行われたウエスタン・中日戦の結果とコメントをご紹介します。陽川選手のホームランで先制、追いつかれたあとペレス選手の犠飛で勝ち越しながら再び同点とされ、でも9回に荒木選手と一二三選手がお膳立てしたチャンスに代打の西田選手が公式戦初のサヨナラタイムリーで試合を決めました!今季チーム5度目のサヨナラ勝ち、そのうち3試合が中日戦です。
《ウエスタン公式戦》9月2日
阪神-中日 26回戦 (鳴尾浜)
中日 001 010 000 = 2
阪神 011 000 001x = 3
◆バッテリー
【阪神】岩本-島本-○鶴(2勝) / 小豆畑
【中日】ペレス(1回)-伊藤(1回)-西川(5回)-小川(1/3回)-山本雅(2/3回)-●福谷(1勝2敗2S)(1回) / 赤田
◆本塁打 陽川3号ソロ(伊藤)
◆二塁打 三ツ俣
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]中:江越 (2-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .327
〃中:柴田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .358
2]指:関本 (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .385
〃走指:緒方 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .236
3]一:中谷 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .300
4]左:ペレス (3-0-1 / 1-0 / 0 / 0) .318
5]三:陽川 (3-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .210
6]遊:北條 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .245
7]二:森越 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .283
〃打:荒木 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .163
8]右:一二三 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .205
9]捕:小豆畑 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .209
〃打:西田 (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .228
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
岩本 5回 103球 (3-4-5 / 2-1 / 3.63) 144
島本 2回 25球 (0-0-1 / 0-0 / 5.18) 144
鶴 2回 37球 (1-3-0 / 0-0 / 2.84) 148
試合経過
2回に先頭の陽川が3号ソロを放って先制した阪神。しかし先発の岩本は3回、三ツ俣に右翼線二塁打、犠打と友永への四球で1死一、三塁とし、2番・溝脇の中犠飛で追いつかれます。するとその裏、江越が四球を選んで関本の右前打と中谷のサード内野安打で1死満塁となり、ペレスが中犠飛。これで2対1と勝ち越しました。
4回は3四球で2死満塁としながらも0点に抑えた岩本ですが、5回は1死から溝脇をショート北條のエラーで二塁まで進め、2死後に4番・高橋周の右前タイムリー。再び同点となります。ついで島本が登板。6回を三者凡退、7回は2死から四球を与えたものの3番・古本を初球で一邪飛に仕留めて無失点。最後は鶴が、8回に2死を取ったあと内野安打を浴びましたが問題なし。9回は三ツ俣、赤田、友永をすべて三振に切って取り、味方の反撃を待ちます。
打線は5回に江越と関本の連打で無死一、二塁とチャンスを作るも、中谷が中飛、ペレスは右飛、陽川は遊ゴロで無得点。6回は2死から一二三が左前打しただけ。7回と8回は三者凡退でした。
2対2のまま迎えた9回。150キロ前後の真っすぐを投げ込んでくるもののストライクが入らない中日・福谷から、代打の荒木がストレートの四球を選び、サヨナラの走者が出ます。続く一二三はバントの構え。151キロの直球に犠打を決められずファウル、追い込まれます。引き続き送る構えで3球目、バットに当てた打球は転がっていったと思ったら、自身が走ろうとする足元にあり…でもキャッチャー赤田が捕って一塁へ送る間に荒木は二塁へ!
このバントが決まったことにより、ネクストでバットを振っていた西田が代打として打席に入ります。やはりストライクが入らず、2球目の152キロ真っすぐを赤田が捕逸。これで1死三塁と絶好のチャンスを迎え、次の152キロを西田が強振!真後ろへ飛んでいくナイスファウルでした。これは打つ、と確信させてくれるような。そしてカウント2-1からの4球目、151キロの真っすぐを打ってセンター前へ!荒木が生還、一塁を回ったところで笑顔を弾けさせた西田も戻ってきて試合終了です。
岩本、防げた四球を反省
岩本投手は開口一番「きょうはフォアボールが多かったんでちょっと…。自分の悪いところですかね、そこは」と反省の言葉でした。中継ぎだったり、先発だったりということについて「それは別に気にならなかった。球自体は悪くなかったんで、他は関係ないです。イニングも(何回までと)聞いてはいなかったので、1人1人アウトを取っていこうと思っただけ」と言っています。
5回103球という球数は「フォアボールが多かったから増えたと思う。いいとこへ行きながらのフォアボールではあったんですけど、それより前に何とか防げたかも」と話していて、それはどんな風に?と聞かれ「考えときます」と答えた岩本投手。課題はそこくらいですかね?「そうですね。そこは防げたかと思うので」
久保投手コーチは岩本投手に対し「まあまあですね。変化球を勉強中。そこですね」という評価でした。
島本「1軍よりもまずここで結果を」
2イニングを投げ無安打、無失点の島本投手。三振はなかったものの球数が25球(6回はわずか8球)とテンポよく打ち取っています。先月6日、ナゴヤドームで8安打9失点と2回持たずにKOされた中日打線でしたが「全然気にしてなかったです」と、飄々とした表情。「キャンプから、ずっと変わらずに調子はいいので」。それに加えて1軍で得たものも多く、その1軍で投げるために自身を成長させる日々です。「でも1軍よりまずファームで結果を出すこと。それが呼ばれるための条件だと思う」
なお7回は2死を取ったあと溝脇選手を2球で追い込んでからの四球でした。「投げる前に(キャッチャーと)話をして、きょうは変化球を多めにということだったんですけど、もうちょっと真っすぐをいってもよかったかな。2球で追い込んで、真っすぐで押したらよかったかなと思いますね」。2ストライクからフォーク(ワンバウンド)、次は「空振りを取りにいった」スライダーにバットが出かかったもののノースイング、次が外れて四球。「あそこはもったいなかったですねえ」と悔やむ島本投手。1軍では命取りになる、という反省でしょう。
リードした小豆畑選手は「島本は真っすぐのキレ、投げっぷりがいいピッチャー。だから真っすぐがよくない時に変化球でも打ち取れる、という自信をつけてもらいたかった」という気持ちもあったようですよ。
鶴、サヨナラを呼ぶ好投
鶴投手は、工藤選手に内野安打されたものの2イニングを無失点。しかも9回は3者連続三振でした。ナイスピッチング!と声をかけたら「そうですね。きょうは低めに集まっていたのでよかったです」とニッコリ。真っすぐが多めかなという印象ですが「真っすぐとフォークが半々くらい。あとはスライダーを何球か」だったそうです。
9回の三振は三ツ俣選手が143キロの真っすぐで見逃し、赤田選手は132キロのフォーク、友永選手は133キロのフォークで空振り三振でした。話をしている時に通りかかったチームメイトに「よっ、勝ち投手!」と言われ「あざーす!」と笑顔を返す鶴投手。あの3連続三振で9回表を締めたからこそ、サヨナラ勝ちにつながったといってもいいくらいですから、殊勲の白星だと思います。
先制弾の陽川、今季初犠打の一二三
2回に先制の第3号ソロを放った陽川選手は「真っすぐ高めでした。感触はよかったです。前(8月29日の広島戦で打った第2号)もよかったけど、きょうは真っすぐを仕留めることを課題としていて、それができたのがよかった!」と振り返りました。ただし「1打席目(ホームラン)にいい形で打てて、あとも続いたらよかったんですけど、出なかった。そこでヒットが出ていれば…」と後悔の言葉です。
一二三選手は9回、四球の荒木選手を一塁に置いて送りバント。滅多に見ない光景ですが、やはりこれが今季1つ目の犠打でした。試みたことはあったのかどうか、ちょっと記憶が定かではありません。過去に「多分あると思いますよ、去年までに1つくらいは」と一二三選手。調べてみたら、昨年が1つ、一昨年にも1つ。今年も1つで、年に一度の割合ですね。それは貴重なものを見せてもらいました。
2球失敗したところでもうドキドキですよ。ヒッティングに変わるかと思ったら3球目も挑んで、目の前に打球があったねえと言ったら、笑いながら「荒木さんの足に助けられました!」とホッとした顔です。そして、この犠打が成功したことで一二三選手と同じくホッとしたのは、この人です。
西田はプロ初の代打サヨナラ打
「一二三さんが送れなかったら、僕はなかった」と西田選手はまず最初に言いました。確かに古屋監督も「一二三が失敗していたら、代打じゃなく小豆畑がそのままいってバント柴田で勝負だった」と話しています。だから西田選手は「一二三さんが決めてくれて、荒木さんのスタートもよくて」と感謝の気持ち。「先輩がいい場面を作ってくれたので、(それまで)みんな捉えていたのに点がなかなか入らなかったし、何とかして試合を終わらせたかった」
打席では「真っすぐが速いイメージがあり、早め早めに準備して打ちにいこうと。コントロールに苦労していたから変化球はまずないかなと思った。1つ前のファウルはバットをしっかり振れて、タイミングも遅れなかったので真っすぐを狙いにいったんです。それにランナーが三塁へ進んだから、気持ちは楽になった。もし二塁やったらアウトの当たりでしょうね」という心情。「もっときれいなヒットやったらよかったけど」と少し笑います。そして「いい場面で使ってもらったのがありがたい」と。
ところでサヨナラ打は?「高校ではあります!中学でもあります」。人生初じゃなかったわけですね。また「プロでは1年目のキャンプで打ったような気もします」と言うので調べてみました。確かに2012年2月26日、四国アイランドリーグplus選抜チームとの練習試合(安芸)で打っています!5対5で迎えた9回裏、坂選手が右翼線二塁打を放ち、5回に藤井宏選手の代走(!)で出てショートを守っていた西田選手が左前打して坂選手を還したのです。これがルーキー西田選手のプロ初ヒットで、初打点、初サヨナラ打でした。それ以来3年半ぶり、公式戦ではプロ初のサヨナラ打、代打でも初ですね。
この日は試合後に少し雨が降ったこともあり、いつものロングティーじゃなく室内でバッティングを行った西田選手。ヒットが出ても変わらない日課です。「自分でやろうと思ったことを続けてやって多少、少しですけど自信を持って打席に入れています。試合に出られるようになっても続けてやって、最近は試合に出るのが楽しいし、嬉しいという気持ち。でも左投手の時に出られないのは悔しくて…。嬉しい、悔しい、両方あるけど全然打てなかったときからここまで来られた。何も変えず今まで通りやり続けるだけです」
この試合のこぼれ話などは、次の記事に書いています。