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まるでアンモナイト? オーストラリアの低気圧

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
オーストラリア南部に出現した低気圧の渦巻き雲(12月14日正午、ウェザーマップ)

オーストラリア南部に出現した「アンモナイト」な雲

 タイトル表紙は14日(金)正午の気象衛星ひまわり8号の雲画像です。

 場所は日本列島ではなく、南半球のオーストラリア。大きく渦を巻く雲に目が留まりました。低気圧の中心から外に広がる雲の帯、まるでアンモナイトのようです。

気象衛星ひまわり8号からみたオーストラリア付近の雲の様子(12月14日正午、ウェザーマップ)
気象衛星ひまわり8号からみたオーストラリア付近の雲の様子(12月14日正午、ウェザーマップ)

低気圧の雲は右巻き?左巻き?

 この渦巻きを見て、違和感を覚えた方もいらっしゃるでしょう。見慣れた低気圧の雲は左回りに回転しています。しかし、南半球の低気圧は地球の回転の影響(コリオリ効果)で、右回りに回転しています。分かっているつもりでも、なんとなく頭が混乱します。

北半球と南半球 低気圧の雲の違い(左上は日本付近、右下はオーストラリア)著者作成
北半球と南半球 低気圧の雲の違い(左上は日本付近、右下はオーストラリア)著者作成

 そして、こちらは14日午前9時の地上天気図です。アンモナイトのように見えた雲は中心気圧が997ヘクトパスカルの低気圧であることがわかりました(赤丸で囲ったところ)。

オーストラリア付近の地上天気図、12月14日午前9時(オーストラリア気象局ホームページより)
オーストラリア付近の地上天気図、12月14日午前9時(オーストラリア気象局ホームページより)

 

 日本列島の天気図とは違って、南側(天気図の下側)で等圧線が込み合い、寒冷前線が南から北にのびる構図は逆さまのように感じます。

 そう思うと、当たり前と思っていることがなんと多いことか。晴れて当たり前、雨が降って当たり前、と思う日に限って、天気を外します。アンモナイトな渦巻きはそれを戒めているようです。

【参考資料】

オーストラリア気象局(Australian Government Bureau of Meteorology)ホームページ

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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