大きなベビーカーが大集合「デンマークの保育士を増やして」
北欧デンマークといえば、自転車乗りに優しい国として知られている。
2日、日曜という休日にも関わらず、市民は自転車とベビーカーに乗りながら、首都コペンハーゲンにある市庁舎前に集まった。
デンマーク版の幼稚園と保育園では、今保育士が足りないとされている。
※幼稚園と保育園という日本語は、子どもを預ける場所を示すデンマーク語とは完全には一致しないが、この記事では「幼稚園・保育園」、子どもの世話・教育をする大人を「保育士」と表記。
保育士の増加を求めるデモは今回が2回目。4月に開催された抗議運動には8万人が参加したとされる。
運動の効果で、全国の政治家とメディアはより活発に議論するようになったとデンマーク国営局は報道。
抗議をする人々は、およそ1~3才までの子どもを預ける「ヴッゲストゥー」では、保育士1人当たりにつき子ども3人。およそ3~6才の子どもを預ける「バーネハーヴェ」では、保育士1人当たりにつき子ども6人を最低基準にしてほしいと求める。
現在の保育士たちはそれ以上の子どもを担当。
一方で、ただ増やすだけでは保育士の質の低下につながり、専門教育を受けた保育士の数を増やすことが難しいという課題もある。
市庁舎前の抗議運動には中道左派の政党らも集まった。
デンマークでは5日が総選挙。
政権交代が起きる可能性が高いとされ、中道左派政権を担うである社会民主党が保護者の声に耳を傾けるか、期待がされている。
Photo&Text: Asaki Abumi