最終クール初日の練習試合で陽川選手が3安打5打点!《阪神・安芸キャンプ》
最終クールを迎えた安芸キャンプでは、まず23日と24日の土日で練習試合が行われました。お天気はまずまずだったものの、雲が多くて寒かったですねえ。とにかく風が冷たくて…。日差しさえ届けば安芸はパラダイスなのに残念です。
23日のJR四国戦は先に1点を失いますが、即座に逆転!ヒット10本と14四死球で計11点を取りました。20日の西武戦と同じスコアですね。24日は韓国のハンファ・イーグルスとの対戦。前の2試合と違ってなかなかの接戦で、ともに9安打ずつを放って4対3で逃げ切りました。
ではまず、23日の試合からご覧ください。24日分は次の記事で書かせていただきます。
《安芸キャンプ・練習試合》
阪神-JR四国 2月23日 (安芸)
JR四 010 000 000 = 1
阪神 050 003 300 =11
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【阪神】福永-岡本-牧-歳内 / 片山
【JR四国】岡田律(1回1/3)-藤川(4回2/3)‐上野(1回)‐濱口(2回) / 小林-篠崎(6回~)
◆二塁打 JR四国:松下 阪神:陽川
◆盗塁 阪神:俊介、森越、片山、陽川、荒木
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二右:荒木 (4-1-0 / 0-2 / 1 / 0)
2]右:俊介 (1-1-1 / 0-1 / 1 / 0)
〃遊:小幡 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
3]中:伊藤隼 (3-0-2 / 0-2 / 0 / 0)
4]三:陽川 (4-3-5 / 0-1 / 1 / 0)
5]一:山崎 (0-0-0 / 0-2 / 0 / 0)
〃走一:藤谷 (2-1-2 / 0-1 / 0 / 0)
6]指:小宮山 (4-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
7]左右:森越 (4-0-0 / 1-1 / 1 / 0)
8]捕:片山 (5-3-0 / 1-0 / 1 / 0)
9]遊二:熊谷 (2-0-0 / 0-3 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
福永 4回 45球 (2-3-1 / 1-1) 147
岡本 1回 17球 (0-0-0 / 0-0) 139
牧 2回 22球 (0-1-1 / 0-0) 145
歳内 2回 16球 (0-2-0 / 0-0) 141
<試合経過>※敬称略
11日(四国銀行戦)の先発を雨で流し、16日(西武戦)は中継ぎで2イニングを投げた福永が先発。2回に先頭へ死球を与え、犠打などで2死三塁として8番・松下に三塁線を破るタイムリー二塁打を浴びます。
しかし打線がすぐに逆転。1回は3四死球で満塁としながら3者残塁だったものの、2回は片山の中前打と2四球で満塁とし、1死後にまず俊介が左前タイムリー!伊藤隼は押し出しの四球で勝ち越し、続く陽川が満塁の走者を一掃するタイムリー二塁打!打者10人攻撃で一挙5点を取りました。
6回に2四球などで1死一、二塁となり陽川が左前タイムリー。なおも1死一、二塁で藤谷が左前へ2点タイムリー!7回も1死から片山の中前打と熊谷の四球、荒木の左前打で満塁として、小幡がタイムリー内野安打!伊藤隼は中犠飛、陽川も左前タイムリー!これで11得点です。
投手陣は、1点を失ったあと3回、4回を完璧に抑えた福永から、6回は岡本も三者凡退。ついで牧が6回は三者凡退、7回は2死から四球を与えたものの後続を断っています。8回から登板した歳内は2イニングをピシャリ!3回以降はノーヒットで四球の走者を1人出しただけ、素晴らしい救援でした。
打って、走って、守って。4番・陽川
試合後、3安打5打点の陽川尚将選手に、平田監督は「前のクールで背中に張りがあったので練習を早めに上がらせたりしていたけど、しっかり打てているね。陽川にはファームの全試合でキャプテンと4番を任せている。明るくやっているんじゃないかな。飛ばす力は、このメンツじゃ軍を抜いている」と高い評価を与えています。
今キャンプの試合でレフト、ファーストと守ってきて今度はサードでした。「大山とも競争させなあかんから。サードやファーストで外国人とも勝負して、隙あらば外野も狙っていくというところ。いろいろ守らせているよ」
陽川選手本人は「反省する点の方が多かったので…。そういうところを、あすまた練習でやっていきたい。しっくりきている部分がまだないから、しっかりやっていきたいです。タイミングの遅れている部分もあるので」とタイムリー3本にも満足せず。5打点に「チャンスで打つのも1つの仕事」と言っていました。
盗塁(2回に三盗)は「サインです。積極的にどんどん次の塁を狙っていこうと思っています」とのこと。サードの守備について聞かれると「あの二塁打は何とかグローブに当てて止めたかった。出場する機会が増えるなら、どこでも準備しておきたい」と反省からの意気込み。キャンプは終盤を迎えましたが「まだまだこれからなので、アピールできるところはしっかり」という陽川選手です。
福永は今キャンプ最後の登板
福永春吾投手について平田監督は「格が違うところを見せてもらわなあかん。トップバッターに、追い込んでから高めのボール、また次も高めのボール。そういうとこ」とダメ出し。福永投手本人も、先頭の右前打は「追い込んでからですね…」と、2回の先頭への死球も「狙いすぎました…」と反省しています。まあタイムリー二塁打はサードゴロと紙一重だったので仕方ないかもしれません。
登板を振り返って、65%あればいいというストライク率も75%あり「球自体はよかったと思います。真っすぐが力強かったし、ええ感じ」と福永投手は言っています。3回と4回はビシッと片付けましたしね。特に4回は先頭がスライダーで空振り三振、最後は真っすぐで見逃し三振。「多分これがキャンプではラスト登板なので、終わりよければってことで」。次は教育リーグかオープン戦での好投を期待しましょう。
「お前の魅力は何?」と先輩に聞かれて…
藤谷洸介選手は2回に代走で出てファーストを守り、6回1死三塁で左前タイムリー。「スライダーです。打球、速かったでしょ?」とニヤリ。そのあと、こんな話をしました。「形より振っていこうと思って。練習でも意識するのは、ある程度の形だけ。バットを下から出さないとか。そういうとこだけ意識して、とにかく振ることをやっています。遠くに飛ばせるから野手にしてもらったので。形ばかり気にしてセンター前とかライト前とかやっても、自分のよさが出ていないし」
「ピッチャーから見ても、こぢんまりした振り方や形ばかり意識した振り方は、怖くないから。自分がピッチャーをしていた時もそう思った。当たらなくてもフルスイングするバッターは“甘いところに入ったら1発あるな”と思うと、甘くなったりボール先行になったりした」。なるほど、信ぴょう性がありますね。「それは前のクールの最後で思いました。(伊藤)隼太さんと話をしたんです。『お前の魅力は何?』と聞かれて、飛ばせることですって答えたら『遠くに飛ばせるのに、こぢんまりしたら魅力ないよ』と」
それを聞いて「じゃあロングティーのスイングをしたらええんやん!と思った。バットの軌道だけ意識するけど、打席に立てばロングティーのつもりで。隼太さんのおかげです。それがなかったら、今も変わっていなかった。ライトフライもダメじゃない。ちゃんと振れていたから」と藤谷選手は言います。注・ライトフライでしたっけ?最後の打席。私はセカンドフライと書いていました。すみません。
監督やコーチには何か言われた?と聞いたら「きょうは守備をほめられました!」と藤谷選手。そこへ牧丈一郎投手が登場して「ありがとうございます!」と最敬礼。7回、先頭のファーストゴロをしっかり止めてくれた件ですね。8回の歳内宏明投手の時もファーストライナーを、ちょっと体を伸ばしただけでキャッチしました。さすが高身長の内野手です。
2年目の2人は「もっと」
その牧投手は今キャンプ2度目の登板。「前回(20日)よりマシでした。この前は、いろんなバランスがよくなくて腕が振れんかった。きょうは、とにかく腕を振ろうと!それができたので、ちょっと力強さが出て、よかったかなと思います。最初が悪すぎた」。平田監督からも「牧は前回と比べて、よくなった」という言葉がありましたよ。
最後に、17日の守備練習中に送球を頭部に受け、大事を取って20日の試合を欠場した熊谷敬宥選手が復帰。フル出場して「大丈夫です。まったく異常なし!」と笑顔でした。四球を3つも選びながら「ちょっとボール球に手を出したので、もっとボールの見極めをしっかりしないと。右(打席も)左も」と内野ゴロ2つを反省しています。
※20日の西武戦、23日のJR四国戦、24日のハンファ戦と3試合連続で3安打を放った片山雄哉選手の話は、また改めて書かせていただきます。お待ちください。
<掲載写真は筆者撮影>