9割の生徒さんが間違える 【Around 】のマスター術:イケメンカナダ人講師の爆笑体験談付き
「まわりの車は青だった」を英語で言うと?
状況を説明します。
ある、遠方にお住まいの生徒さんが、車でレッスンに向かっている時のこと。
ふとまわりと見ると、自分以外の車がすべて青だったと。
で、その時の英語が、
Around cars were blue.でした。
私の反応は、「What?」です。
意味不明だからです。
え、でも、around は周りという意味だし、車はcar だからあってますよね、と思いますか?
たしかに、そのまま機械的に置き換えるとそうなります。
周り→around
車→ car(s)
なので、around cars とやってしまいがち。
この around cars をあえて日本語にすると、「車の周り」という意味です。
ですので、(??)around cars were blue.だと、なんのことかわからないけど、数台の車の周りのなにかが青だったということになります。
英語の文章としても不完全です。
文章として成立させるには、around の前になにか単語を置かなければなりません。一応ここでは、something (なにか)を置いてみましょう。
すると、Something around cars were blue.となり、「車のまわりの何かが青だった」という文章になり, 意味が通じる英語になります。
でも、これだと、生徒さんがもともと言いたかった「まわりの車が青だっと」とはほど遠いですよね?
では正解は?(バージョン①-やや不明瞭)
around の使い方を見ていきます。
まわりの車といっても、何のまわりなのか、または、誰のまわりなのかを考える必要があります。
ちょっと絵を確認してみましょう。
「生徒さん本人」のまわりの車ということがわかりますね。
なので、わたしのまわりということになるので、「me」を使います。
ここで、注意が必要です。
私のまわり→ My around とか Me around にはなりません!
around me となります。
「まわりの車は青だった」の正解は、
Cars around me were blue.
です。
ええ~、around cars も cars around meもたいして変わらないじゃ~んと思いますか?
たしかに日本人のわたしたちしてみると、たいした違いには聞こえませんよね。
でも、英語を話す人たちにしてみると、大きな違いなのです。
ちょっと余談ですが
カナダ人のイケメン F先生の失敗談を紹介しますね。
レストランで食事をしたときのこと。覚えたばかりの日本語を使いたくて、食べ終わって大声でこう言いました。
あ~、おいしかった。
おなか、〇っぱ~い!(〇には「お」がはいる)
おなかいっぱい!と言いたかったのですが、「い」と「お」の微妙な発音がうまくできず、思わず「おなか、〇っぱい」と言ってしまったそうで(汗)、周りの人が一斉に彼を見たそうです。
そのときは、なぜまわりの人がこっちを見ているのか、何がまずいのかわからなかったようですが、後日、「いっぱい」と「〇っぱい」の違いを知って、どひゃ~と焦ってました。(そりゃそうだ)
F先生にとっては大した違いではなくても、日本語ネイティブのわたし達にしてみると、「いっぱい」と「〇っぱい」の違いってとんでもなく大きいとわかりますよね。
これは発音の違いによる例ですが、around という単語レベルの使い方の違い一つでも、英語ネイティブにとってはものすごく大きな意味の違いとなるということを想像していただければと思います。
よりベターな表現は?(バージョン②)
話を戻しますね。
周りの車は青かったの英語は
↓
Cars around me were blue.と書きました。
間違いではありません。
でも、なにか違和感ありませんか?
もし、違和感を感じたとしたら、素晴らしいです!!!
この「Cars around me were blue.」だと、なんだか印象がぼやけています。
意味として間違っていませんし、文法上も問題ありません。
でもですね、英語だけ見ていると情景が浮かばないと思いませんか?(私だけ?)
車でレッスンに向かっている生徒さんが、ふとまわりと見ると、「自分以外の車がすべて青だったんですよ~」いう驚きの感じがあまり出ていませんよね?
驚いていなければ、わざわざ話したりしなかったと思います。
じゃ、どうすればいいの?
日本語を少し変えてみましょう。
そうすれば、より英語にしやすくなります。
「まわりの車は青かった」を「(その)わたしのまわりの車は(全部)青だった」としましょう。
これだと、「(たまたま信号で止まってまわりを見ると)なんと全部、青い車だったんですよ~」という感じに近づいていませんか?
では、さっそくやっていきましょう。
わたしのまわりの車(と指定する)
↓
The cars around me
(みな/全部)青だった
↓
were all blue.
え?これだけ?
はい、これだけです。
出来上がりを見てみましょう。
The cars around me were all blue.
正解バージョン、①と②を比較してみましょう。
①Cars around me were blue.
②The cars around me were all blue.
どうでしょうか?
①より②のほうが、よりはっきりとした意味が見えませんか?
寝起きの顔が、お化粧して目鼻立ちすっきりした感じ?(わかりずらい例ですね)
日本語をちょっと深堀りして言い換えると、わかりやすい英語表現に近づけられることがあります。
しかも、中学レベルの知識で十分対応できるのです!
日本語の発想をちょっと変えるというのがキーですね!
Around の邪道な覚え方
で、結局どうすれば around を使いこなせるかって話です。
生徒さんにお伝えしているやり方をお伝えします。
まず、「まわりの〇〇」の表現を考えてみてください。
「まわり」の「人々」
「まわり」の「車」
「まわり」の「建物」など。
このような場合、単語が2個ありますよね。
まわりの「人々」、まわりの「車」、まわりの「建物」など。2個の単語で構成されています。
ここで問題です。
この2個あるうち、もしもどちらか1つしか使えませんよと言われたら、どちらの単語を選びますか?
伝えるべき大事な単語はどっちですか?「まわり」でしょうか、それとも「人々」や「車」や「建物」でしょうか?
まわりの「車」を例にとると、大事なのはどちらの単語ですか?
誰かに「まわりの車(が青ばっかりだったの)」と話したいとき、car と around どちらが大事な単語でしょう?
もうおわかりですね?はい、car です。car と言えば、どんな状況かはわからないけど、なにか車に関する話なんだなとわかります。
その反対に、around という単語を言われたら、どうでしょう?
around だけでは何のこと話そうとしているのかまったくわかりませんよね?
もし、around の使い方で迷ったときは、このような考え方も取り入れてみてください。
まとめ
「まわりの車」という表現をひとつとっても、「(わたし)まわりの車」というように、日本語には隠れている表現がけっこうあります。
この隠れている表現を探しだせると、意外と英語にしやすいですし、わかりやすい英語になります。