【東京都杉並区】「ホープ軒」愛に満ちた店主が伝承する、至高の豚骨醤油ラーメンを荻窪で食す!
ラーメン久保田
荻窪駅北口から線路沿いに3分ほど歩いた先、「荻窪銀座商店街」の一角に『ラーメン久保田』はある。もつ焼き『カッパ』の真向かい、『ラーメン十八番』の並びと言えば、ピンと来る人も多いだろう。
酔街草も、『カッパ』や『鳥もと本店』などで散々もつ焼きを食した後でさえ、躊躇なく〆に突入できるラーメン専門店として重宝している。
店主の久保田雄(くぼた・ゆう)さんは、荻窪生まれの荻窪育ち。母親と叔父が吉祥寺の老舗『ホープ軒本舗』で働いていた縁もあって、ラーメンとは幼少の頃からの付き合い。成人した後にラーメン屋の道を選んだのも、極めて自然の成り行きだった。
最初の頃は『阿佐谷ホープ軒』の店舗で働き、2年後からは『ホープ軒本舗』の製麺所で麺作りに励む日々を7年間続ける。製麺技術とスープ作りをマスターしたのを機に、2011年に独立。元々は祖母が住んでいた現在の場所に、カウンター7席のみのこぢんまりとした店を構えることになった。
『ラーメン久保田』は、東京の豚骨醤油ラーメンの先駆けともなった『ホープ軒本舗』の持ち味を伝承しつつ、より上品で優しい印象の味に仕立てられている。スープは、背脂をアクセントとしながらもギトギト過ぎる感じはしない。おそらく、丁寧に炊き込んだ溶き脂の成せる技なのであろう。
メニューは、『ホープ軒本舗』と同様に「中華そば」(800円)と「チャーシューメン」(1100円)の二択と潔い。丁寧に下拵えされたトッピング類も、リーズナブルな値段設定で好感が持てる。
酔街草の場合は、おでんの煮玉子のようにかっちりとした「味付玉子」(50円)と、おろした「ニンニク」(50円)がマストアイテムである。「もやしハーフ」(50円)もなかなか捨て難いのだが、ついつい注文し忘れてしまう。
豚骨や野菜からじっくりと抽出されたスープは、自家製の細麺とよく絡んで実に旨い。薄っすらと浮いた背脂の粒もほろ甘く、とてもまろやかな口当たりだ。
「今、製麺ができるのは三代目の社長と僕のふたりだけ。開業しながらも麺づくりを学べているのも大きい財産ですね」と、久保田さん。『ホープ軒本舗』の製麺所には、今でも週に数回は出向くのだという。
麺の素材には、防腐剤や酒精(エタノール)などを一切、使用しておらず、生麺ならではの小麦粉本来の香りや食感が愉しめる。製麺箱の側にいるだけで、食パンのような香りが漂ってくるので間違いはない。
細麺がデフォルトなのだが、数量限定で太麺も選べるタイミングもあるので、友人やカップル同士で訪れるときなどは、別々に注文して食べ比べてみるのも一興だ。
昔ながらの『ホープ軒本舗』を彷彿とさせる中細縮れ麺。太麺と同様に、こちらも不定期かつ数量限定なので、もし遭遇したら幸運と思うべし。
カウンターにはハンディ扇風機が置かれており、自由に使える気配りが汗っかきには嬉しい。酒類は、缶ビールのみの控え目な提供。本当は「赤星」辺りを置いて欲しいところだが、多くは望むまい。
丼には「久保田」の対面に「荻窪」の文字が! 店主の地元愛の強さと、”荻窪ラーメン共和国”の一員たることへの矜持が感じとれる。
『ラーメン久保田』は、11月28日に開店から13年目を迎える・・・。
吉祥寺の『ホープ軒本舗』は、1935年に屋台から始めて創業88年となる超・老舗。『阿佐谷ホープ軒』も、創業から既に75年となる。久保田さんは、かつてこれらの店で学んだように、親から子へ、そして孫へと繋がる三世代の客へのリスペクトを、この店でも体現しようと心に決めている。
さてさて、今宵も大満足。ご馳走様!
ラーメン久保田 Rettyページ
住所:東京都杉並区上荻1-4-3
電話番号:03-3398-8357
アクセス: JR中央線・東京メトロ丸の内線「荻窪駅」北口より徒歩3分
営業時間:11:30~15:00、18:00~22:30
定休日:水曜日
*営業時間・定休日は変更となる場合も有ります
荻窪ラーメン久保田(公式)