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ひとりぼっちにお節介。婚活応援を趣味にする!~お見合いおじさん活動月報(1)~

大宮冬洋フリーライター
今の日本社会に不足しているもの。それは「お節介」。イラスト:つぼいひろき

自分も楽しくて他人の役にも立てる趣味がほしいと思ったのです。恋バナと会食が大好きな僕が見つけたのが、お見合いおじさん活動:略称おみおじ。自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる活動です。

僕は2014年の春からおみおじを楽しんでいます(今までの活動レポートはこちらこちら)。活動ペースは月2程度。「可愛げがある!」と勝手に見込んだ男女と面談したり、お見合いという名の飲み会を開いたり。

僕のおみおじで結婚が決まった人は今のところ1名だけ。でも、未婚の会員からも感謝されています。友人知人のお墨付きの独身異性と出会えることって、年齢を重ねるごとに少なくなっていくからです。僕のおみおじも含めて経験を積んで恋愛感度を向上させ、別の場所で見つけた相手と結ばれた「卒業生」は過去4名います。「私は婚活自体に向いていないことがわかった」と去って行った人も4名いますが、それもまた有意義な自己発見ですよね。

結婚願望がある独身男女に優しくお節介する! 愛すべき隣人の婚活を結婚相談所やネットだけに任せておかない! 全国に広まってほしい「おみおじ」の実例をリポートします。

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今日は初回なので、登場人物を簡単に紹介しておきます。まずはお見合いおじさんである僕とつぼいひろきさん。

僕はフリーライターで、相棒のつぼいさんはイラストレーターをしています。ともに1976年生まれの既婚者です。「人と楽しく美味しくお酒を飲む」が何より好きなことも共通しています。

あれこれ言うのは好きだけど考えは浅く、面倒見もいいとは言えないのは残念な共通点。でも、そんな僕たちだからこそ気軽にお見合いや合コンをセッティングできるのです。「いい人を見つけたら一緒に飲もうよ。あなたと合うかもしれない。合わないかもしれないけれど(笑)」という軽いノリでやっています。

40年も生きているといろんな人と知り合いますよね。僕の人脈はオネット(大宮ネットワーク)、つぼいさんの人脈はツヴォイと呼んでいます。ちょっと似た名前の大手結婚相談所とは何の関係もありません。

僕とつぼいさんが24時間体制でお世話をする会員の定員は男女それぞれ4名まで。僕たちのポンコツな頭脳ではそれ以上は覚えきれないし、相談にも乗りきれないからです。2人のパパが最大8人の子どもたちをお世話しているイメージですね。

ただし、4対4の総当たり戦ではさすがに選択肢が少なすぎます。オネットとツヴォイを活用して、会員のために良き異性を広範囲から見つけて来ていますよ。もちろん、すべて無料。飲み代は割り勘です。

「今年中に結婚したい!」34~42歳までの独身男性4名

では、可愛い会員たちご紹介します。すべて実在の人物ですが、仮名であることをご了承ください。

まずは男性から。最年長の加藤信彦さん(42歳)は昭和の名わき役のように個性的で男っぽい風貌で、立ち振る舞いはスマートです。仕事は金融関係の専門職。関西出身で、長く海外で働き、帰国してからも地方都市を転々とする「風来坊」生活を続けて来ました。

信彦さんは現在、専門知識を生かせる仕事を東京で見つけて会社員として働いています。結婚相手に求めるものは「親きょうだいとの仲が良くて、自分の子も作りたい人」「感情表現が豊かな人」「風来坊な自分がまた海外で働きたくなっても話し合いの余地がある人」です。

信彦さん、はっきり言いますよ。あなたの好みは覚えにくい! そして、あまり面白くない! 「身長170センチ以上の女性を求む」ぐらいのインパクトあるキャッチフレーズを一緒に考えましょう。

ちなみに信彦さんには昨年末にお見合いをセッティングしました。しかし、相手の女性は「感じのいい人だったけれど、私はお見合いには向いていないとわかった」と婚活自体をやめてしまったのです。もちろん信彦さんのせいではありませんが、「いい人」で終わるぐらいならば「変な人。なぜか気になる」と思われるぐらいの個性を発揮しましょうよ。朴訥キャラの信彦さんならば、会話中にやたらに英語を多用してもOKです。

田崎光博さん(40歳)は身長180センチのスポーツマン。俳優の岩城滉一を草食系にしたようなハンサムです。30人規模のシステム会社で正社員のSEとして真面目に働いています。

「僕は話すよりも聞くことが好きなので、いろんなことに興味を持って明るく話してくれる女性に惹かれます」

カッコいいけれどコミュニケーションは控えめというか受け身な光博さん。パソコン画面ばかりに向かっていないで、僕たちのおみおじを利用して女性と会いまくりましょう。なお、子どもはできたら2人欲しいそうなので、紹介するのは30代半ばまでの女性に限られますね……。

スペック的にはモテそうなのになぜか独身なのが山本啓二さん(34歳)。経営コンサルティング会社に勤務しています。メーカー勤務の後、私費で社会人大学院に通った経験のある努力家です。謙虚でコミュニケーション能力も高く、遊び人でもありません。

啓二さんのネックはとにかく忙しすぎること。難易度の高いプロジェクトに突入すると、プライベートの連絡は途絶えがちで、デートなどの約束もしにくくなります。

自分はそんなに忙しいのに、「黙ってついて来てくれる専業主婦タイプ」ではなく、「知的で明るいキャリア女性」を求めています。それでは結婚してもすれ違い生活になってしまうのでは……。啓二さんの場合、仕事への向き合い方を少し見直す必要があるようです。

僕が一番心配しているのは、2年前からお世話をしている若林義彦さん(39歳)。インフラ系大企業のシステム子会社で正社員として働いています。東京圏で一緒に暮らせる非喫煙者の女性ならば年上でもOKとのこと。東京で出会うたいていの独身女性なら結婚できる、ということですね! でも、彼はやっぱり一番心配です。

愛情を前提に言わせてもらいますが、義彦さんはモテにくいタイプです。小柄で頭髪が後退しているだけでなく、コミュニケーションが悪い意味でオタクなのです。人の話を聞いているようで聞いていないことが多く、自分の話に夢中になりがち。穏やかで心優しいのに爽やかな印象は受けません。女性からは「生理的に無理」と感じられてしまいがちです。39歳にして女性経験がないことも影響しているのかもしれません。

義彦さんには、過去2年間でお見合い1回、合コン1回しか提供できていません。他の男性と比べて頻度は3分の1以下。申し訳ないと思っています。服装を変えてみることをアドバイスしたり、プロの女性のお世話になって経験値を上げることも提案しました。しかし、今のところは義彦さんに紹介できそうな女性が見当たりません。

ちょっと心苦しいのですが、僕たちでは力不足のようです。義彦さんには僕の友人が運営する結婚相談所に「留学」してもらっています。もちろん、僕がマージンを取ったりはしていませんよ。義彦さん、男性も30代であることは婚活において武器になります。若さと誠実さをアピールして、今年中に素敵な年上女性を見つけましょう。僕も40代女性を中心にリサーチします!

会員紹介のつもりが、つい熱くなってアドバイスにまで踏み込んでしまいました。長くなったので、女性会員は次回に紹介します。お楽しみに!

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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