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今年のNPBには、ヤンキースで田中将大とチームメイトだった選手が3人。田中の登板時によく打ったのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
タイラー・オースティン Sep 6, 2016(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンの日本プロ野球には、ニューヨーク・ヤンキースで田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)とチームメイトだった選手が3人いる。ゼラス・ウィーラー(読売ジャイアンツ)は2014年、タイラー・オースティン(横浜DeNAベイスターズ)は2016~18年、アデイニー・エチェバリア(千葉ロッテマリーンズ)は2018年に、ヤンキースで田中とともにプレーした。

 この3人、あるいは3人中2人がチームメイトになったことは、他チームを含めても一度もない。オースティンは2018年7月にヤンキースからミネソタ・ツインズへ移り、エチェバリアはその翌月にピッツバーグ・パイレーツからヤンキースへ移籍した。

 彼らに共通するのは、ヤンキースの選手として初めて出場したのが、いずれも田中の登板試合だったことだ。ウィーラー(2014年7月3日)とオースティン(2016年8月13日)は、その試合がメジャーデビュー。当時、メジャーリーグ7年目のエチェバリア(2018年9月1日)は、前日にヤンキースへやってきた。エチェバリアは9回表に遊撃を守っただけで、打席には立たなかったが、ウィーラーとオースティンは、どちらもメジャーリーグ初本塁打を記録した。ちなみに、この3試合とも、田中は白星を挙げた。

ゼラス・ウィーラー(左)とブレンダン・ライアン JULY 3, 2014
ゼラス・ウィーラー(左)とブレンダン・ライアン JULY 3, 2014写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 オースティンは最初の試合に限らず、田中が投げた試合でよく打った。12安打のうち、過半数の7本は長打。ホームラン3本と二塁打4本だ。犠牲フライも2本あり、15試合で14打点を挙げた。キャリア最初の4打点は、すべて田中の登板試合だった。15試合の打率は.235ながら、メジャーリーグ通算(.219)とヤンキース通算(.230)を上回る。

筆者作成
筆者作成

 一方、田中が投げた試合で内野安打1本のエチェバリアは、その前に田中と2試合で対戦し、計3本のヒットを打っている。2015年6月15日が3打数2安打、2017年7月28日は2打数1安打だ。エチェバリアは1本目のヒットで1打点を挙げ、2本目の直後には牽制で田中に刺された。ウィーラーとオースティンは、田中と対戦していない。オースティンは、ヤンキースとツインズに加え、サンフランシスコ・ジャイアンツとミルウォーキー・ブルワーズでもプレーしたが、ウィーラーは2014年にヤンキースで29試合に出場し、そのオフに東北楽天へ移籍した。

アデイニー・エチェバリア Sep 25, 2018
アデイニー・エチェバリア Sep 25, 2018写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今シーズン、東北楽天と千葉ロッテは、開幕2カード目の3月30日~4月1日に試合を行う。この3試合で田中が登板しなくても、エチェバリアが再び対戦する機会はありそうだ。また、東北楽天は5月25日~27日に読売、5月28日~30日に横浜DeNAと当たる。ウィーラーとオースティンのうち、田中と対戦するのはどちらか一方となる可能性が高い。

 なお、オースティンの打撃については、昨年11月にこちらで書いた。

来シーズンは本塁打王!? 横浜DeNAのオースティンが記録した「量産ペース」は両リーグ1位

 前回、田中が東北楽天で投げた時、チームメイトだった選手については、こちら。

東北楽天に復帰した田中将大と「再びチームメイト」になる選手は9人

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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