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村上宗隆がリーチをかける「3試合連続マルチ本塁打」。NPBの達成者は筒香嘉智だけ。MLBでも5人未満

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 JULY 31, 2021(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、ここ2試合とも、2本のホームランを打っている。6月23日はグランドスラムと2ラン、24日は2ランが2本だ。25日も2本塁打あるいは3本以上なら、3試合連続マルチ本塁打(1試合2本以上)は、日本プロ野球史上2人目となる。これまでに記録したのは、2016年の筒香嘉智(当時・横浜DeNAベイスターズ/現ピッツバーグ・パイレーツ)だけだ。7月19日にソロ2本、20日にソロと2ラン、22日にソロ2本を打った。

 メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)においても、3試合連続マルチ本塁打は、極めて少ない。1951年のガス・ザーニアル、1962年のフランク・トーマス、1969年のリー・メイ、2003年のジェフ・ダバノン。この4人しか記録していない。いずれも、1試合2本ずつだ。3試合で計6本は他にもいて、2002年のショーン・グリーンは計7本だが、例えば、グリーンの場合、各試合のホームランは、4本、1本、2本なので、この3試合のマルチ本塁打は2度。しかも、連続ではない。

 トーマスは、3試合連続マルチ本塁打を記録した年からもわかるとおり、通算521本塁打の殿堂選手とは、ファーストネームもラストネームも同じ別人だ。こちらは、通算286本のホームランを打った。メイは、1978~81年に南海ホークスでプレーしたカルロス・メイの兄だ。

 トーマスだけでなく、ザーニアルとメイも、通算200本以上のホームランを打っている。それに対し、ダバノンの通算本塁打は33本に過ぎない。2003年のホームランは、この3試合で6本と、その前後の計117試合で6本だ。

 ダバノンは、メジャーリーグの8シーズン中6シーズンをアナハイム/ロサンゼルス・エンジェルスで過ごした。1999年と2001~05年がそうだ。エンジェルスが優勝した2002年のワールドシリーズには出場していない――レギュラーシーズンに出場16試合のみ――が、2004年はサイクル・ヒットを達成している。父のジェリー・ダバノンも、エンジェルスでプレーした。

 筒香もそうだが、この4人の3試合連続マルチ本塁打も、ソロを含んでいる。村上は、ここ2試合とも、ソロなしでマルチ本塁打を記録している。

 なお、ザーニアルは、この3試合に続く試合も、1打席目にホームランを打ち、4試合連続マルチ本塁打まであと1本に迫った。

 ダバノンを含む、エンジェルスの親子選手とサイクル・ヒットの達成者については、こちらとこちらで書いた。

「親子ともエンジェルスでプレーは5組目」

「トラウト、大谷、ウォルシュ。サイクル・ヒットの達成者を3人擁するのは、エンジェルスだけ!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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