【子どもの問題行動】始まりは全て良い子アピール
子どもの問題行動というと、みなさん何を思い浮かべますか?
いたずら、いじめ、暴力…こんなところでしょうか。
最近読んだアドラー心理学では、子どもの問題行動のすべての始まりは【良い子であろうとすること】。
「え?良い子でいることはダメなの?」と思った人はぜひ今回の記事を読んでみてください^^
なぜ問題行動をするのか、その目的に注目していく考え方です。
1.果たして良い子でいるのは悪いことなのか?
アドラー心理学によると、良い子であろうとする目的が「大人から褒められること」の場合は要注意。
子ども達の目的はあくまでも「ほめられること」であり、逆に言うと「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動はしない」さらに「罰を与える人がいなければ、不適切な行動もとる」という世界観を身に付けていく、とのこと。
よって、子どもがやる気や従順をアピールするときに「大人の反応を求めて良い子になろうとしている」場合は要注意なんだそうです。
そして、せっかく良いことをしたのに褒められない。それならばいたずらや悪いことをして目立ってやろう、という心理になっていくそうです。
消極的な子は、「できない子」を演じることによって注目を集めるようになるとのこと。
2.どうしたら良いのか?
それは子どもに「特別」でなくとも「自分には価値がある」ということを教えること。
つまり、自尊感情を育てること。
大阪保育大学の論文によると、
「子どもは友達との比較で優越感や劣等感を感じることなく、今の自分を認めてもらえる・自分の能力が必要とされているという感覚を経験することが重要」とのこと。
具体的には…
・自分の思いで取り組んでいたり、できるようになったり、新しいことにチャレンジしたりしていることを評価する。(達成感や充実感を味合わせる)
・親や友達等、周りの人のために行動できたことに気付かせる。(自分が周りの人の役に立っていることを実感させる)
・失敗や間違いをしても頑張っていることを評価する。(否定的な場面から気持ちを切り替えさせる)
・友達がいることで、活動が楽しくなったり新しいことを見付けたりできることに気付かせる。(周りの人に支えられていることを実感させる。)
・やりたいこと等を我慢することは、他の子も同じであることに気付かせる。(困っていることは他者も同じであることに気付かせる。)
・今日遊んだことや考えたことを家族の前で発表する(周りの人からの肯定的な評価を受ける場を設定する)
さらに、自尊感情の高い人ほど、失敗してもさらに努力を重ねていく意欲や姿勢があるということもわかっています。
今回の内容を読んで、良いことをしたときだけ褒めるという状況ではなく、子ども自身が何を考えて行動したのか寄り添って声かけできるような育児を目指していきたいと思いました^^
ちなみに自分の子ども時代を振り返ると、「良い成績が欲しくて授業中に積極的に手を挙げる」という行為をしていたことを思い出しました。
確かに今考えると、本当に授業に興味があるわけではなく「良い成績が欲しいから」という目的であって、もし悪い成績をつけられていたら、その授業は無気力になっていたと思います笑
なぜ子どもがその行動をするのか。真意を正確に把握するのは難しいですが、注意深く観察していきたいですね^^
【参考資料】
・幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ(著)岸見一郎・古賀史健
・自尊感情や自己肯定感に関する研究 -幼児・児童・生徒の自尊感情や自己肯定感を高める指導の在り方-