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関東甲信の梅雨明けは13年ぶりに8月へずれ込む可能性が高まる

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
梅雨空の都心(写真:アフロ)

最新の16日間予報

16日間予報、%は降水確率、赤数字は最高気温、アルファベットは信頼度Aが高くEが低い(ウェザーマップ)
16日間予報、%は降水確率、赤数字は最高気温、アルファベットは信頼度Aが高くEが低い(ウェザーマップ)

ウェザーマップから最新の16日間予報が発表されました。

あさって29日(水)頃までは、まだ梅雨前線の活動が活発で、特に新潟県から秋田県にかけては、日本海側を中心に記録的な大雨となるおそれがあり、厳重な警戒が必要です。(昨日の予想より、やや北側へシフトしました。)

一方、鹿児島は、早ければあす28日(火)にも、午後から晴れ間が広がってくる可能性があり、ようやく梅雨明けが秒読みとなってきました。

福岡や高知でも30日(木)頃には夏空が広がるため、今月ギリギリの状態で梅雨明けの発表がありそうです。

ところが大阪、名古屋、東京あたりは、週末まで夏空の広がる可能性は低く、梅雨明けは8月まで持ち越される可能性が高まってきています。ただ信頼度はDやEが目立っており、梅雨前線の活動は次第に弱まる見込みで、もし晴れ間が出てくれば、強引にでも梅雨明けの発表があるかもしれません。

もう記録的に梅雨明けは遅くなっていますし、このあたりは気象庁のさじ加減というところもありそうです。

関東甲信は8月にずれ込めば13年ぶり

関東甲信地方の遅い梅雨明け記録(筆者作成)
関東甲信地方の遅い梅雨明け記録(筆者作成)

気象庁が発表している梅雨明けの確定値(1951年以降)をもとに、関東甲信の遅い梅雨明け記録を調べると上図のようになります。

平年の梅雨明けは7月21日ですから、すでに約一週間遅くなっており、仮にきょうの日付(27日)で明ければ10位タイということになります。

もし今週末の土曜日(8月1日)以降へずれ込めば、2007年8月1日以来13年ぶりに8月の梅雨明けとなり、もし来週の週明けへ持ち越しとなれば、過去最も遅い記録に迫ることにもなります。(*1993年は梅雨明け特定なし)

ただ今のところ、そこまではいかず、8月2日(日)か3日(月)までには発表があるのではないかと思っています。

各地方の遅い梅雨明け記録

各地方の遅い梅雨明け記録(筆者作成)
各地方の遅い梅雨明け記録(筆者作成)

関東甲信以外、西日本にかけての遅い梅雨明け記録を調べてみると、8月にまでずれ込んだ梅雨明けは各地方とも数えるほどしかありません。

九州、四国、中国の梅雨明けは、今月ギリギリでありそうですが、近畿や東海の梅雨明けがもし今週末までずれ込めば、ともに11年ぶりに8月の梅雨明けということになります。

引き続き、難しい太平洋高気圧の予想

太平洋高気圧と12時間降水量の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と12時間降水量の予想(ウェザーマップ)

梅雨明け(夏空)をもたらす太平洋高気圧は今週後半にかけて、西日本方面へ張り出しを強めるため、九州を中心に夏空が広がる予想です。

その後も西日本では高気圧の圏内という状態が続きますが、東日本方面では週末にかけて、一旦衰弱するため、夏空はなかなか広がらない予想です。

ただ梅雨前線の活動は今週後半には次第に弱まる計算ですから、予報的には曇りベースながらも晴れ間の広がる可能性もあり、このあたりが梅雨明けを発表するか、非常に悩ましい状態になると思われます。

なお、来週になれば、高気圧は東日本方面へも勢力を強める計算ですが、まだどれ位の強さとなるかは計算がばらついている状態です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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