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阪神タイガース・宜野座キャンプは第2クール いざ実戦モードへ!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
第2クール初日、サブグラウンドでの特守を終えたキャッチャー4人衆。

沖縄県宜野座村総合運動公園で行われている阪神タイガースの1軍キャンプは、5日間の第1クールを終え7日から第2クールに入りました。きょう8日午後は、今キャンプ初実戦となる紅白戦が行われています。スタメンと登板予定投手をご紹介しましょう。先攻は紅組です。

【紅組】   【白組】

1]遊:北條  1]二:上本

2]中:江越  2]遊:植田

3]一:板山  3]左:高山

4]右:中谷  4]捕:原口

5]二:糸原  5]三:大山

6]三:今成  6]中:俊介

7]左:荒木  7]右:横田

8]捕:梅野  8]一:岡崎

9]指:坂本  9]

※投手 (2イニングずつ)

【紅】横山、藤浪、岩崎

【白】青柳、松田、島本

私は5日午後に沖縄入りしたのですが、きょう紅白戦が始まるころ帰途につかなくてはならず…生で見られません。何とも役立たずで申し訳ない限り。もし選手のコメント等が入手できたら、記事を書かせていただきます。

宜野座の捕手4人衆は特守

そんな日程のため、朝から夕方まで練習を見られる唯一の日だった7日は、全体メニュー終了後にサブグラウンドで捕手陣の特守を見学しました。この日はキャッチングやスローイングというより、高く上がった打球をショートバウンドで捕り三塁方向へ送球する反復練習です。

サブグラウンドで守備練習中のキャッチャー4人。
サブグラウンドで守備練習中のキャッチャー4人。
原口選手の送球を避ける岡崎選手(左)。体、柔らかいですね!
原口選手の送球を避ける岡崎選手(左)。体、柔らかいですね!
ペナルティーをこなす原口選手(左)と梅野選手(中)。
ペナルティーをこなす原口選手(左)と梅野選手(中)。

最初はマウンド付近でゴロを捕って三塁へ、二塁へと送球。場所を変えて今度は高いバウンドのボールを矢野バッテリーコーチが投げて、それをワンバウンドで捕って一塁へ投げるもの。1球ずつの時はミスしたら3連続捕球で、1人2球ずつになったらミスすると5連続のペナルティーがあります。ミス連発の場合は…さらにプラス。また1人5球ずつになるとペナルティーが変わり、ミスした選手は後ろに下がってジャンプ&腕立てのセットを10回。原口選手が3セット、梅野選手が2セットやっていました。

同じく高いバウンドをショートバウンドで捕球し、次は一塁方向へスロー。やはり1球ずつ、2球ずつ、5球ずつと繰り返されるのですが、ここまでノーミスだった坂本選手が、開始40分後にとうとう捕球できず…初ペナルティーです。悔しかったでしょうねえ。ただし、以降は再びノーミス!そしてミスの少なかった最年長・岡崎選手も疲れのせいか、ちょこっとやっちゃいました。原口選手はかなり下半身にきているようで、連続ミスを犯して大変なペナルティー数に。

全部終わったのが15時30分、約1時間の特守でした。だいたい800球くらいを使ったみたいで、1人平均200球ほど捕球をしたことになります。それでミスが1回だけという坂本選手、すごいですね!と言ったら「普通です」とキッパリ。若さもありますかね、下半身が低く安定した捕球で、切り返す動きも素早かったと思います。一方、最年長(しつこい?)の岡崎選手もなかなか軽やかな動きでした。終了後は待っていたファンの方々にサインをしながら引き揚げた4人です。

フリー打撃に左腕トリオが登板

さて、全体練習ではフリーバッティングに岩田投手、山本投手、岩貞投手の左ピッチャー3人が登板。打者2人に対して8分間ずつ投げました。結果は以下のようになっています。ただし球数や安打性の当たりなどは、“だいたい”の数字ですのでご了承ください。

◆岩田

37球 (うちボール8球)

【高山】安打性4

【糸原】安打性3

◆山本

42球 (うちボール8球)

【板山】安打性8

【大山】安打性6

◆岩貞

44球 (うちボール10球)

【江越】安打性9 (サク越え2)

【北条】安打性6 (サク越え1)

1日200球のノルマを自身に

フリー打撃に登板した岩田投手。
フリー打撃に登板した岩田投手。

では3投手のコメントを書いておきます。投げた順番に、まず岩田投手から。この日は真っすぐしか投げていなくて、テーマは「後ろにファウルが取れたらいいな」だったそうです。

「自分がクリアしたい課題を1つずつクリアしていっている」とのこと。フリー打撃で投げたあと、ブルペンでまたピッチングをしたのは予定通り?「最初からやろうと思っていました。第2クールは1日200球投げようと決めていて、それはやっておかないとと思っているので」と言います。

この日は「(フリー打撃の)登板前の肩作りとフリー、ブルペンを合わせて、自分では201球のつもりです」と話していました。それはフォーム固めのために?「フォーム固めもありますが、投げられるところを見せないと。アピールしないといけないから。あとは実戦で結果を出していくだけです」

左打者の反応を見ながら試す

山本投手の感想。「感覚はよかったです。と思います」(笑)。打者に投げてみて「僕は左バッター中心になってくると思うので、今は90%以上、左を抑えるかどうかだと。板山には1球1球どういう反応をしてくるか試しながらやりました。(プレートを踏む位置を)一塁側に変えているので、外の球が遠く見えたりとか、クロスファイヤー気味にいく球とインコースのシュートを有効に試せる機会なので。自分の意図した抑え方でやっています」とのことです。

板山選手の反応は「ちょっと腕を下げているので、シュートして甘く入ってくる球は痛打されたりしていましたね」と振り返った山本投手。「体が回転する場所にヒジを合わせたら球が強くなった。第1クールで試したんです。ブルペンで投げていても、いいなと思ったので以降の4日間やっています。左バッターは打ちにくいだろうなと」

同じくフリー打撃で投げた山本投手。
同じくフリー打撃で投げた山本投手。

プレートの位置について「去年は三塁側に立っていたんです。でもアリゾナへ行って、ジェフさんのアドバイスで一塁側に変えました。去年はシュートを覚えたので、投げにくいから(一塁側に立つのは)やめていましたが、ジェフさんは『ピッチャーが投げにくいってことは、バッターも打ちにくいはず』と言われたので」と説明しています。

チェンジアップとカーブの精度を上げる

岩貞投手はテレビのインタビューがあったので、それもご紹介します。まず今のテーマを聞かれ「しっかりローテに入っていかないといけないので、アピールしながら体を強くすることを目標にしている」と答えました。そして「第1クールは投げ込みとウエートをしっかりやっていたので、今は…へばっています」と。いやー本当に、第1クールの疲れが休み1日で取れなかったという選手は結構多かったですねえ。「第2クールはそれを回復させて、トレーニングと実戦練習を結びつけたい」

この日のフリー打撃登板を「最初はバランスがよくなかったけど、8分間という短い時間の中で、最後は指にかかったボールもあったのでよかったです」と振り返り、ブルペンとは違うかとの問いに「打者相手だと、いいと思ったボールを前に飛ばされたりするけど、逆もある。バッターの反応が一番大事なので、いい練習になりました」とのこと。そのバッターの反応で「北條はスイングがすごく早くなっていた。自分もコースにある程度投げ分けることができた」そうです。

これからの実戦では「しっかりアピールしながら、納得いくボールを増やしたい。チェンジアップとカーブの2球種を確認しながら投げます」と岩貞投手。開幕に向けて「ケガしないことが第一。その次にローテに入ることをアピール。開幕で1軍にいないことには始まらないから、それまでにその立ち位置にいられることを大事にやっていきたいです」と締めくくりました。

真っすぐのみ44球を投げました。
真っすぐのみ44球を投げました。

ついで囲み取材のコメントです。この日、フリー登板においてのテーマは?「キャッチボールからボールがあまりよくなかったから、バランスを意識して投げた。そういうのはシーズン中にもなくはないし。でも、これだけ体がへばって試合することはないですけどね。きょうは体重移動をしっかりやって、腕の走る場所を探しながらやっていました。まだまだシーズンに入れる状態ではないけど、この時期としては、それなりの感じですね。きょうは真っすぐだけです」

チェンジアップとカーブは紅白戦でも?「チェンジアップは去年、決め球にしていたし精度を上げることが今シーズン大事だと思います。カーブに関しては逆に、どれだけ使えるかですね。カーブは感覚として悪くない。疲労感が抜けた状態でどれだけ投げられるか。球種を増やしすぎてもよくないですが、あるに越したことはないし、試合に使えるまで精度を上げていきたい」

そのあと、去年が10勝だったが今季は?と聞かれ「開幕したら数字を追いかけると思いますけど、2月という段階では“開幕に1軍にいること”が一番の目標なので、まだ考えていないです」と回答しています。

紅白でアピールしたい野手陣

5日のティーバッティング中の江越選手。
5日のティーバッティング中の江越選手。

では野手の話も少し書いておきましょう。フリー打撃でサク越え2本を放った江越選手は「一応、やろうとしていることはできましたけど、あした紅白で実戦なので、そこでもっとアピールしたいと思います。いいイメージを持って、まずはあすの紅白戦をしっかりやりたいです」と意気込みもひとこと。真っすぐのキレが岩貞投手から打ちましたね。「岩貞さんも、そんなに力を入れていなかったと思います。とりあえず前に飛んでよかった。本音です!」

この写真では見えませんが、北條選手は上半身もすごい筋肉です!
この写真では見えませんが、北條選手は上半身もすごい筋肉です!

同じくサク越え1本の北條選手は「いい形で左中間に打ててよかったです。でも真っすぐってわかっているので。実戦でスイングできるように頑張ります」と謙虚なお答え(笑)。金本監督が飛距離も伸びたと評価していますよ。「飛ばそうと思ったら形がくずれるので、自分の形で飛ばせたらいいですね」。きょうの紅白戦、紅組の1番と2番を打つ2人のコメントでした。

最後は、白組の4番キャッチャー・原口選手です。バッティングで少し悩んでいるようだと金本監督が心配していて、フリー打撃前のティーバッティングでもアドバイスされていました。この日は特守が終わったあと室内でまた打ち込んだようです。「監督には、ボールを押し込めるように朝のアーリーワークの時からずっと教えてもらっていました。まだボールの押し込みが足りないですね」

特守を終えてキー太に迎えられる原口選手。
特守を終えてキー太に迎えられる原口選手。

また金本監督のアドバイスは「押し込めたら飛距離もアップするし、センター方向に大きいのが打てる」というものですが、原口選手は「ヒジが入ってくると押し込みがきくんですけど、まだ入りが甘い」とのこと。いよいよ始まる紅白戦に関しては「まずは守備の方でアピールしたい。そこがまず目標です。盗塁阻止だったり、そっちの方でアピールしないといけない。ピッチャーとの連係もそうですけど、そっちをしっかり。1つ刺せたら自信になりますね」と、いつも通り“キャッチャー優先”を表明しています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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