【京都市北区】街を抜けたらいきなり天然記念物 京都市北部に広がる珍しい池と湿地帯
「深泥池」は京都盆地の北端部にある池とその周辺の湿地。通常は「みどろがいけ」と呼びますが「みぞろがいけ」と読む資料もあります。
深泥池には氷河期以来の動植物が今も生き続け、多くの水生植物,昆虫,魚類,野鳥などが生息しています。中央には西日本の平坦地では珍しいとされる浮島が広がります。浮島は季節により上下に変動し、夏には浮かび上り,冬は沈んで冠水するそうです。
水生植物群落を保護するため,1927年(昭和2年)に国の天然記念物に指定されました。
また、このあたりは昭和から平成にかけて、タクシー乗客の女性が突然消えるといった現象が新聞や雑誌に取り上げられた心霊スポットでもあります。
南西の角に建てられた石碑。「天然記念物深泥池水生植物群」と書いてあります。
深泥池は北山・上賀茂の市街地から北部に抜ける道沿いの東側に広がり、北側のケシ山、東側の高山と半島状のチンコ山、南側の西山と、三方を丘陵地に囲まれています。山の名称が気になるところですが、由来はわかりません。南西部のみ市街部とつながっています。
場所は京都市営地下鉄北山駅から歩いてわずか15分ほど。洛中からすると北の外れとはいえ、街を歩いた先に急に広大な湿地帯が現れるのでびっくりします。
よく埋め立てられずに残っているなと感嘆する思いですが、やはりそこには地元の方々の努力があるそうです。
特に公園化などされているわけではないので、周辺を歩きながら見て回ることになります。
のどかな風景が広がりますが、道が狭いわりには交通量が多く、結構なスピードで車が行き交うので歩行者にとっては少々危険な場所でもあります。
実際、自分も写真を撮ってる時に車にひかれそうになりました。みなさんも見学に来られた際は気をつけてくださいね。
そんな道路事情もあって、過去には埋め立てて道路拡幅する計画が持ち上がったこともあるそうです。この計画は廃止となりましたが、いくつかの市民団体が深泥池を守るための活動を続けています。
近年は外来種の悪影響もあり、環境を守るために相当な努力をされているそうです。そのおかげで、今も貴重な環境が守られており、初夏になるとカキツバタ、秋になるとサワギキョウなどが道ゆく人の目を楽しませてくれます。
深泥池
京都市北区上賀茂深泥池町67-1
問い合わせ先:
京都市 文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課
電話/075-222-3130