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ジャーメル・チャーロ、WBCスーパーウエルター級王座に返り咲き

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo:Leo Wilson/PBC

 第11ラウンド、ジャーメル・チャーロの左ボディアッパー、そして顔面ヘの左フックがトニー・ハリソンを捉える。試合前、チャーロは「俺の右が火を噴くぜ」と話していたが、明暗を分けたのは、このコンビネーションだった。

 深刻なダメージを負い、崩れ落ちたハリソンも王者の意地を見せて立ち上がるが、チャーロの連打を浴び、最後は右で仕留められた。

Photo:Leo Wilson/PBC
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 第2ラウンドにもチャーロは左フックでハリソンを沈めていた。しかし、ハリソンはそこから持ちこたえ、食らい付く。

Photo:Leo Wilson/PBC
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 10ラウンドまでの採点は2名のジャッジが96-93でチャーロを支持したのに対し、 95-94でハリソン優勢を唱えたジャッジもいた。

Photo:Leo Wilson/PBC
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 試合後、チャーロは言った。

 「奴(ハリソン)は元チャンピオン。試合を支配し、ノックアウトを飾ったのは俺だ。このパワーは本物さ。2020年もこれで切り開いていく」

Photo:Leo Wilson/PBC
Photo:Leo Wilson/PBC

 終盤に向かうに連れ、チャーロはペースを上げ、リズムに乗っていった。そのペース配分が勝利に繋がったように見える。ハリソンは、昨年の第一戦と同じように、ジャブでリングをコントロールしようとした。チャーロが敗戦から多くを学び、ゲームプランを構築したことは明白だった。

 

Photo:Leo Wilson/PBC 双子で世界王者同士
Photo:Leo Wilson/PBC 双子で世界王者同士

 チャーロは試合後、こう結んだ。

 「俺は本来、紳士的な男なんだ。いつだって周囲をリスペクトしているぜ。ただ、スカした野郎は嫌だね。ハリソンは長く俺のベルトを保持していたよな。それを取り戻したってことさ」

Photo:Leo Wilson/PBC
Photo:Leo Wilson/PBC

 双子の兄、ジャモールはWBCミドル級チャンピオン。どちらかが、つい数時間前にKOで防衛を果たした村田諒太と絡めば面白い。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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