ジャーメル・チャーロ、WBCスーパーウエルター級王座に返り咲き
第11ラウンド、ジャーメル・チャーロの左ボディアッパー、そして顔面ヘの左フックがトニー・ハリソンを捉える。試合前、チャーロは「俺の右が火を噴くぜ」と話していたが、明暗を分けたのは、このコンビネーションだった。
深刻なダメージを負い、崩れ落ちたハリソンも王者の意地を見せて立ち上がるが、チャーロの連打を浴び、最後は右で仕留められた。
第2ラウンドにもチャーロは左フックでハリソンを沈めていた。しかし、ハリソンはそこから持ちこたえ、食らい付く。
10ラウンドまでの採点は2名のジャッジが96-93でチャーロを支持したのに対し、 95-94でハリソン優勢を唱えたジャッジもいた。
試合後、チャーロは言った。
「奴(ハリソン)は元チャンピオン。試合を支配し、ノックアウトを飾ったのは俺だ。このパワーは本物さ。2020年もこれで切り開いていく」
終盤に向かうに連れ、チャーロはペースを上げ、リズムに乗っていった。そのペース配分が勝利に繋がったように見える。ハリソンは、昨年の第一戦と同じように、ジャブでリングをコントロールしようとした。チャーロが敗戦から多くを学び、ゲームプランを構築したことは明白だった。
チャーロは試合後、こう結んだ。
「俺は本来、紳士的な男なんだ。いつだって周囲をリスペクトしているぜ。ただ、スカした野郎は嫌だね。ハリソンは長く俺のベルトを保持していたよな。それを取り戻したってことさ」
双子の兄、ジャモールはWBCミドル級チャンピオン。どちらかが、つい数時間前にKOで防衛を果たした村田諒太と絡めば面白い。