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マット・デビッドソンとNPB464本塁打のタフィー・ローズは、同じMLB記録を保持

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・デビッドソン Jun 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 日本のメディアが報じているとおりになれば、来シーズン、マット・デビッドソンは、広島東洋カープでプレーする。

 今シーズンは、AAAのパシフィック・コースト・リーグで86試合に出場し、32本のホームランを打った。打者有利なリーグとはいえ、この本数はリーグ最多タイだ。323打数で32本なので、ほぼ10打数に1本のハイペース。また、100安打のうち、43本は長打だった。ちなみに、同じく32本塁打のジェイソン・マーティンは、デビッドソンより147打数も多かった。

 シーズンを通し、ほぼメジャーリーグでプレーした2017~18年は、それぞれ、26本塁打と20本塁打を記録している。ペースは、15.9打数/本と21.7打数/本だ。ちなみに、今シーズンの大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、17.2打数/本だった。

 デビッドソンにパワーがあるのは確かだが、例えば、タフィー・ローズのように、日本プロ野球でホームランを量産できるかどうかは、まだわからない。来日1年目のローズは27歳、来シーズンのデビッドソンは32歳だ(6月30日時点の年齢)。

 ただ、ローズとデビッドソンは、同じメジャーリーグ記録を保持している。開幕戦の1試合3本塁打だ。ローズは、シカゴ・カブス時代の1994年4月4日に記録した。デビッドソンは、シカゴ・ホワイトソックス時代の2018年3月29日だ。この記録を持っているのは、他に2人、ジョージ・ベル(1988年4月4日)とドミトリー・ヤング(2005年4月4日)しかいない。

 なお、ローズが日本プロ野球で記録した通算464本塁打は、歴代13位に位置し、メジャーリーグを経験した選手では最も多い。1996~2005年と2007~09年の計13シーズン中、20本塁打を下回ったシーズンはなく、過半数の7シーズンは40本塁打以上。50本以上の2シーズンを含め、本塁打王は4度を数える。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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