絶体絶命の保守の尹錫悦候補 韓国大統領選レースから落馬も! 野党候補一本化の流れは中道の安哲秀候補へ
韓国の次期大統領最有力候補であった保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソッキョル)前検察総長の支持率が急落し、「瀕死の状態」にある。
元旦に公表された地上波放送局3社の「新年世論調査」によると、尹錫悦候補は支持率でライバルの進歩(革新)系与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事に大きく引き離されている。
いずれの世論調査も年末の12月29日~31日の間に実施されているが、「SBS」は李候補34.9%対尹候補26.0%、「MBC」は李候補38.5%対尹錫悦28.4%、「KBS」は李候補39.3%対尹候補27.3%と、8.9~12ポイントも差を付けられていた。
世論調査会社「リアルメーター」が「YTN」の委託を受けて20代と30代を対象に行った直近の世論調査(3~4日)に至っては、同じ野党の中道政党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表にも抜かれ、3位に落ちていた。(李候補33.4%、安候補19.1%、尹候補18.4%)
尹候補は支持率急落の原因が党内及び選挙対策委員会の内輪もめにあるとみて、5日に選対委員会を刷新し、出直しを図ろうとしているが、支持率回復に繋がるこれといった「特効薬」も「カンフル剤」もなく、こうしたことから党内及び保守層の間では悲願の政権交代を実現するためには安哲秀候補との一本化しかないとの声が上がっている。
こうした最中、世論調査機関「R&サーチ」が「毎日経済」と系列の放送局「MBN」の委託を受けて4~5日にかけて有権者約1千人を対象に行った世論調査結果が6日午後に公表されたが、それによると、野党候補を一本化した場合、尹候補と安候補のどちらが望ましいかとの質問に43.5%が「安候補で一本化すべき」と回答し、「尹候補を単一候補とすべき」は32.7%しかなかった。
また「競争力のある統一候補として」は安候補を選んだ人は43.4%、尹候補を選んだ人は35.8%であった。安候補が尹候補を7.5ポイントも上回っていた。
さらに、仮に安候補が野党統一候補となって、李在明候補及び革新系政党である「正義党」の沈相奵(シム・サンジョン)候補との三つ巴となった場合の支持率では安候補が41.6%、李候補が33.7%、そして沈候補が4.8%だった。安候補はなんと、本命視されいる李候補に7.9ポイントの差を付けていた。
安候補は20代及び30代からの支持が相対的に高く、20代では49.3%、30代では42.9%の支持を得ていた。また、「尹錫悦支持層」では62.2%、「政権交代層」からも65.2%の高い支持を得ていた。
しかし、野党候補が一本化せず、分裂選挙となった場合の支持率では李候補38.5%、尹候補34.2%、安候補が12.2%となっており、李候補が漁夫の利を得る公算が高い。
なお、この世論調査では「野党に政権交代すべき」が過半数の50.3%に達し、「与党が政権を維持すべき」の36.5%を大きく上回っていた。
中堅議員の間で党首である李俊錫(イ・ジュンソク)代表に辞任を迫る動きが表面化するなど「国民の党」の空中分解が長引き、尹候補の支持率が浮上せず、低迷が続くようだと、保守層の間で「尹錫悦降ろし」が始まるだろう。そうなれば、尹候補は遅かれ早かれ、大統領レースからリタイアせざるを得ないであろう。