ANAと海外在住日本人ネットワーク『トラベロコ』の連携スタイル
KNNポール神田です。
トラベロコは、世界171ヶ国・2,346都市の海外在住日本人の『ロコ』登録者約43,000人に対して、相談や依頼ができるサイト
累計Q&A回答数170,000件以上 2014年よりサービス開始。
■世界にいる日本人4万3,000人にお友達感覚で依頼ができるサービス
筆者もこの『トラベロコ』のサービスに登録している『ロコ』の一人でもある。『ロコ』とは海外在住の日本人の事。『トラベロコ』はユーザーとロコとのマッチングをつくるプラットフォーマーである。
https://traveloco.jp/loco/knnkanda
マレーシアクアラルンプールでのコンドミニアムを提供している。
『トラベロコ』では、世界171カ国にいるロコに質問したり、旅の相談から仕事の依頼を頼める。いわば、時間と場所とスキルを共有できるシェアリングエコノミーのサービスである。
今年は、ドバイの取材旅行のアレンジの相談から、スペインやポルトガル移住の相談で『トラベロコ』をユーザーの立場でも使わせていただいた。そこで、感じたのは、ネットで何度もやりとりをしながら、自分のニーズにあった『ロコ』を選びだし、サービスを提供していただけることだった。一応、メニューはあるが自分の希望する現地のコーディネーションを、現地のロコのスキルや経験に応じて提供してもらえる。いわば、海外における『パーソナル・エージェント』という感覚に近い。それがお友達感覚で依頼できる。
そして、シェアリングエコノミーの相互評価の仕組みがあるから、互いに自分の評価をさげたくないモチベーションが働く。お客様は神様ではないのだ。
■300日前からの予約のアドバンテージ
一方、ANAセールスは、『航空券+宿泊』の『ANA旅作』によって最大300日前(約10ヶ月前)からの割引運賃での予約が可能となるサービスも発表している。この直販体制によってOTA(Online Travel Agent)業者との差別化がかなり明確となった。10ヶ月も先の予約がとれるOTAはほとんどいない。
エアバス『A380』といえば、世界最大級、総2階建ての520人乗り『空飛ぶホテル』と呼ばれる。ANAではハワイの神聖なるウミガメ(ホヌ)をモチーフとした機体で2020年までに3機体制でJALのシェアの奪還にかかる予定だ。しかし、A380の半数をオーダーしたエミレーツがキャンセルを表明したため、2021年に生産中止が決定している。それでもドル箱路線の東京ハワイ間に、『空飛ぶウミガメ』は魅力的だ。しかも300日前から予約ができるのは、早すぎるほどのスケジュール調整が可能だ。
しかも、トラベロコと連携しているので、ハワイには、何度も行っているけど、それでも知らない旅をしたければ、ハワイのトラベロコのロコに相談すればよい。そう、なんと行っても現地在住のロコが、あなたの経験やニーズや環境に応じてアレンジした旅を提案してくれ、希望があれば、付き添いも一緒に食事の相手までもしてくれる。一度おねがいすれば、なんだかいつでも連絡がとれる世界にいる自分の友達になっている感覚となる。
ANAがトラベロコと連携することによって、300日前から、航空券と宿泊を確保し、ロコが現地でコーディネイトしてくれる。ツアーとは違った自分の都合に合わせた旅を総合的にプロデュースできることとなる。
■トラベロコで、ハワイの『オアフ島』のページを検索してみると…
オアフ島在住のロコがずらりと並ぶ
『ゴルフを安く手配したい』の質問に対して現地ロコからたくさんの回答がよせられている。
https://traveloco.jp/oahu/q/18695
このような、オプショナルでゴルフをするよりも、トラベロコを経由するだけで、たくさんのロコから最適解が得られる。そこでロコを決めてから初めて支払い条件が成立する。
昨今、JTBでも相談が有料化になってきていると話題になってきているだけに、世界の日本人に気軽に相談できるのはありがたいと思う。
いままでのガイドブックやネットだと自分で探す手間がかかり、旅先のツアーデスクだと選択肢がなくなる。その双方のデメリットを現地のロコが解決してくれるのだ。トラベロコのビジネスは、手数料ビジネスだ。ロコから20%、ユーザーから10%という両手の手数料というプラットフォームビジネスだ。
■トラベロコは『スキルシェア』のサービスなんです トラベロコ椎谷豊CEO
「トラベロコは、よく『旅行サービス』と言われるのですが、実はそこではありません。むしろ、『スキルシェア』のサービスだと考えています。海外にいらっしゃる日本人のスキルを共有していただけることに一番の価値があると考えています。海外で『実現したいコト』がある日本人を、それをかなえるスキルを持った現地在住の日本人『ロコ』がサポートするという、日本人による日本人のための海外タウン・コンシェルジュサービスが『トラベロコ』なんです。すべて日本語でやり取りできるので安心して海外にでかけていただけると思います。またリピーターの方が多いので、一度でも、このサービスを知っていただければハマっていただけると自負しています。」トラベロコCEO椎谷豊(しいや・ゆたか)
今までなかったような夢のようなサービスが、日夜インターネット上では誕生している。海外の情報をガイドやメディアに頼ることなく個人と個人がつながる…。そしてそんなネットサービス群が、既存のリアルの大手とのサービスと連携することによってスケールしていく。21世紀のシェアリングエコノミーはまだまだ拡大していくことだろう。