コロナで活況のネット通販 詐欺サイトにだまされないためのポイントは?
ネット通販で詐欺にあったら、代金を振り込んだ銀行口座を凍結させ、残高から被害金を回収する方法がある。ただ、すでに詐欺師が預金を引き出していたら手遅れだ。だまされないためには、自己防衛が不可欠となる。
詐欺か否かの見分け方
この点、消費者庁やインターネットホットライン連絡協議会などは、そうした悪質な通販サイトの名称やURLなどを公開し、注意喚起を呼びかけている。
注文した商品が届かないとか、偽物が届いたといった報告が多数寄せられているサイトばかりであり、購入手続前にチェックしておく必要がある。
もっとも、すべての詐欺サイトが網羅されているわけではない。パソコンやスマホにセキュリティ対策アプリを入れ、常にアップデートしておけば、詐欺サイトへのアクセスを遮断してくれることもあるが、絶対とは言い切れない。
次の4点に当てはまれば、詐欺をもくろむ悪質な通販サイトの可能性が高い。トラブル回避のためにも、購入は差し控えておくべきだ。
(1) 連絡先に電話番号の記載がなく、メールアドレスもフリーメール。
(2) 代金の支払い方法が銀行振込のみで、振込先口座が運営法人や店舗の名義ではなく個人名義、特に外国人と思われるもの。
(3) 価格が極端に安かったり、通常だと手に入りにくい商品を数多く取り扱っている。
(4) 日本語の表記に不自然な部分がある。
もちろん、これらに該当しない通販サイトがすべて安心というわけではないが、一つの目安になるはずだ。
得体の知れない相手には要注意
特に重要なのは、(1)の運営者情報だ。通販サイトは特定商取引法によって事業者の名称や住所、電話番号などの表示が義務付けられている。一部でも欠けていたら怪しい。
ただ、他人の名義を勝手に使ったり、架空の名義を記載する巧妙な詐欺サイトも多い。
必ず事前に事業者名や住所、電話番号、メールアドレス、振込先の口座名義、口座番号などをネットで検索し、詐欺被害に関する書き込みがないか、架空のものでないか、よく確認しておくべきだ。
法人であれば、国税庁の法人番号公表サイトを利用して調べることもできる。
(2)の銀行振込の点もポイントだ。詐欺師が金を手に入れたあと、購入者とのやり取りを遮断しやすくなるからだ。
クレジットカードが選択できると記載されているからといって、安心できない。見せかけにすぎず、入力されたカード番号では決済できなかったといったメールが届き、銀行振込を求められるからだ。カード番号も悪用される。
また、この種のサイトは、日本語で表示されていても、実際には中国系など海外の運営者によるものがほとんどだ。機械翻訳だったり、簡体字フォントを使用するなど、日本語に不自然な点がないか、送られてきたメールの文面にも注意を要する。
実在する日本のショッピングサイトを模倣するケースもある。サイト上の文章の一部をネットで検索してみると、模倣したショッピングサイトが検索結果として表示されるから、購入前にチェックしておくべきだ。
とにかく、判断能力が落ちている時間帯や精神状態のときにネット通販で衝動買いをすべきでない。
悪質な詐欺サイトにだまされないためにも、ここで示した情報を家族や友人、知人らと共有しておくことも重要だ。(了)