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将棋史上初の「女性棋士」なるか? 里見香奈女流四冠(30)棋士編入試験、受験決定!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 6月28日。里見香奈女流四冠(30歳)が棋士編入試験を受験する旨が発表されました。

 女流棋士の里見女流四冠は、過去にタイトル獲得48期(史上1位)。現在は女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花をあわせもつ、女流棋界の第一人者です。

 里見女流四冠は過去に棋士を目指し、奨励会にも所属。しかし残念ながら難関の三段リーグ突破はできず、棋士の資格を得る四段昇段はなりませんでした。

 以後は一般公式戦において女流棋士の枠から出場し、男性の棋士を相手に好成績を収め続けていました。そして今年5月27日には直近で10勝4敗という好成績をあげ、女性として初めて棋士編入試験の受験資格を獲得しています。

 里見女流四冠は受験をするかどうか、態度を保留。その動向が大変注目されていました。

 そして約1か月後の本日。日本将棋連盟から、里見女流四冠の受験意向が発表されています。

 棋士編入試験は五番勝負。対戦相手は四段に昇段して間もない若手棋士5人です。将棋界の新人は、いつの時代でもみんな強い。もちろん試験合格は容易ではありません。

 しかし最近の里見女流四冠の勝ちっぷり、充実ぶりを見れば、合格の可能性はかなり高いと言って差し支えないでしょう。

 里見女流四冠が3勝をあげてもし合格すれば、将棋史上初めての「女性の棋士」となります。

 「史上初の『女性棋士』誕生なるか?」をめぐっては、これからファンの期待の声や報道も熱くなるものと予想されます。一方で里見女流四冠は「全力を尽くしますので、静かに見守って頂けると幸いです」とコメントしています。

 直近の棋士編入試験では折田翔吾アマが合格して大きな話題を呼びました。折田現四段は現在、ユニークな存在の棋士として活躍しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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