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20代世帯ではわずか6.5%…ラジオの世帯単位での普及状況

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
ラジオ保有率の実情は(写真:イメージマート)

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌からなる従来型メディアの中で、先の東日本大震災の際に大いにその存在意義を見直されたラジオ。かつては多くの人が心の友にしたであろう存在だが、最近では聴く人も少なくなっているとの話もある。そのラジオに関する世帯ベースでの普及状況を、総務省が2023年5月に詳細値を発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に確認する。

次に示すのは回答者の世帯におけるラジオの保有状況。なお機器そのものは存在していてもお蔵入りなどの理由で過去1年間に一度も利用していない、あるいは自前での調達ではないものは該当しない。要は今現在でも利用しているラジオが自宅にあるか否か。

↑ ラジオの保有状況(世帯単位、属性別)(2022年)
↑ ラジオの保有状況(世帯単位、属性別)(2022年)

全体では39.7%の世帯がラジオを保有していることになる。しかし20代世帯ではわずかに6.5%、30代世代でも17.9%、40代でようやく30.2%となる。50代以降は4割以上を維持し、75~79歳では6割近くの世帯が保有している計算。この動向を見るに、昔からラジオを保有し聴いている世代はそのまま維持しているが、若い世代は必要性の観点などから親元から離れて暮らすようになってもラジオは購入せずに生活している実情が透けて見える。あと10年も経過すれば、その時の30代の保有率も(今現在の20代がそのままシフトして)10%足らずとなるだろう。あるいは必要性が無くなったことから廃棄し、さらに落ち込みを見せるかもしれない。

世帯構成別では若年層の単身世帯が21.1%と低い値。また、高齢者を含む世帯が一段と高い値を示していることから、高齢者における保有率が高いことが再確認できる。

世帯年収別では特段傾向だった動きは無し。金銭的余裕によってラジオの保有率に影響が生じることは無いようだ。

あまり深い意味は無いかもしれないが、都道府県別の保有率の実情を示したのが次のグラフ。

↑ ラジオの保有状況(世帯単位、都道府県別)(2022年)
↑ ラジオの保有状況(世帯単位、都道府県別)(2022年)

明確な傾向だった動きは見いだせない。あえて言えば東日本大震災でとりわけ大きな被害を受けた被災3県(岩手県・宮城県・福島県)で高い値が出ており、地震の際の情報取得手段としてラジオが重要視されているように見受けられる次第ではある。

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※通信利用動向調査

2022年分は2022年8月末に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、満20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対し、郵送あるいはオンラインによる調査票の配布および回収の形式によって行われている。有効回答数はそれぞれ1万5968世帯(3万9557人)、2428企業。各種値には国勢調査や、全国企業の産業や規模の分布に従ったウェイトバックが行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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