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【河内長野市】人間国宝の講座もあった!高齢者施設にリモートで歌のプレゼント!加賀田公民館を紹介します

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市内には、公民館が8ヶ所設置されています。それぞれの公民館では、いろんな分野のサークル活動や、公民館で企画された地域性を活かした自主企画の勉強会やイベントなども行われています。

今回、30日に加賀田公民館で行われるイベント、ハートフルコンサートが、今までとは一味違うことがわかりました。

今までは公民館の中だけで合唱サークルの発表会として行なっていたコンサートなのですが、今回初めてその様子をリモートにて、近くにある高齢者施設でも視聴できるようにするとのことなのです。

河内長野市は、モックルコインにしても、モックルMaaSにしても、IT化が早いような気がしていました。この話を聞いた時は、ついに公民館や高齢者施設にもITの波が押し寄せたのかなと思いました。

とくに今回、外に出かけられないお年寄りでもコンサートを楽しんでもらえる機会にという、新しい企画なのだそうです。

そうであればと、バスに乗り加賀田まで足を運んでお話を伺うことにしました。

加賀田公民館の場所をおさらいすると、三日市町駅から神納(こうの)行きのバスに乗り、加賀田小学校前バス停で降りるとすぐ近くです。バス道(府道)は高台にあり、公民館や小学校は低い場所にあります。こればかりは地図でなく、実際に行かないとわかりにくいですね。

余談ですが、加賀田の集落を地図だけで見ると、まるで住宅地に囲まれて浸食されているように見えますが、実際には右側の青葉台や左の大矢船は山の上にあって、谷にあたる加賀田の集落からはその姿がまったく見えません。訪問した時も、のどかな里の風景が残っていました。

加賀田公民館に到着しました。加賀田公民館の阪口館長と事務方の田村さんが出迎えてくださいました。

まずは、コンサートの練習の様子を拝見させていただくことに。タイミングの良いことに、ちょうど練習中でした。

コーラスをしているのは加賀田公民館クラブ「混声かがたヴォーチェ」の皆さんです。

コーラスを指導している先生です。

当日のプログラムを見せてもらいました。どうしても懐メロっぽい歌が多いですが、これは高齢者施設を意識したのかと聞いたところ、そうではなく、コーラスをする人たちの年代の好みなのだそうです。

こちらはピアノ演奏の様子です。

なお、阪口館長は3月いっぱいで退任されることが決まっており、現在は田村さんが中心となって公民館の企画を進めているそうです。

田村さんによれば、コロナ禍で公民館に入れる人数を制限していることもあり、せっかくの発表会なので、より多くの人に視聴してもらえる方法を考えたときに思い付いたのが、リモート中継だったとのこと。

今回のコンサートのリモート中継について、公民館に来るのも困難なお年寄りにコンサートの様子を見てほしいということも、企画の大きな動機付けになったそうで、最近加賀田公民館にWifiが設置されたことで、ようやく実現可能になったそうです。

加賀田公民館とリモートで結ぶ高齢者施設は、寿里苑フルールです。車だと5分程度なのだそうです。

コンサートの練習のほかにも、その時間、公民館で活動をされているサークルがあったのでお邪魔させていただきました。

こちらは書の教室のようです。

お手本をもとに丁寧に筆を進めておられました。

こちらは俳句クラブの作品です。四季の風景を意識した松尾芭蕉の時代を思わせるような作品が多いですが、菊花賞や宅配便など、比較的新しいキーワードも入っているんですね。

また坂口館長によれば、人間国宝でもある人形作家の秋山信子さんが加賀田に住んでおられているとのこと。

秋山さんの経歴を調べると、1928(昭和3)年大阪市出身で、1955年に人形作家の大林蘇乃(おおばやしその)に師事してから人形作家として活躍されたそうです。

高島屋で初個展を開くなど活躍し、90年に紫綬褒章、96年に衣装人形で国指定重要無形文化財(人間国宝)に認定され、同じ年には河内長野市長の表彰を受けている方です。

さらに秋山さんは、98年勲四等宝冠章、大阪市民表彰を受けた重鎮中の重鎮ですが、97年、2001年、2008年に大阪高島屋にて個展開催されております。沖縄民族や韓国民族を題材にした作品を手掛けるなど、常に創作意欲が旺盛な方です。

すごい人が加賀田に住んでいるなと思いましたが、驚いたことに3月には秋山信子さんの監修による五月人形を作る講座が、加賀田公民館主催で4回連続の内容で行われました。講師は秋山さんのお弟子さんだったそうです。

残念ながらもう終わりましたが、お弟子さんとはいえ、人間国宝の技術が間接的に公民館で学べるのはすごいことですよね!

加えて、こちらの児童文学作家で、第43回日本児童文学者協会賞受賞した中川なをみさんも、加賀田公民館の近くに住んでおられるそうです。

さて平日の午前中にお邪魔したこともあり、活動に参加されている方たちは、一般的な公民館のイメージに近い年齢層と、平均年齢も高めでした。阪口館長の話では、公民館の活動に参加する人は、時間が自由になる定年などのリタイア組が中心になるとのことでした。

その一方で、このような子供教室の発表会も計画しているそうです。

4月以降には、次にあげたような加賀田公民館の子供向けイベントがあります。千代田公民館の時も書きましたが、公民館は全市民が対象なので、興味のある人はぜひ問い合わせてみてください。

令和5年度子ども公民館教室 子どもジャズダンス教室 

5月13日スタート(3月まで月二回開催)

会費 毎月1000円 

申し込み締め切り 4月20日木曜日。

令和5年度子ども公民館教室 自然体験教室

6月17日スタート(全7回)

会費 1回800円

申し込み締め切り4月20日木曜日。

また、あいっくと連携して、子育てわいわいルームも開催しています。

千代田公民館同様に、加賀田公民館にも図書室があります。キックスにある図書館から読みたい本を取り寄せることもできますし、他で借りた本もここで返却できるそうです。

このシステムは、公民館を取材させていただいて初めて知りました。とても便利なシステムなので、気軽に公民館の図書室に足を運んでぜひ活用したいところですね。

ということで阪口館長と田村さんより公民館についてのお話を伺いました。

ここまま帰ってもよかったのですが、寿里苑フルールは、加賀田公民館から歩いて15分くらいのところにあるので、せっかくの機会ということで、フルールまで歩いてみることにしました。

道はバス道沿いにまっすぐ南下すればあるそうです。

訪問時はまだ桜が咲き始めたころ。この記事を公開する時には桜が満開になっていることかなと思いつつ散策しました。

頂上が茶色なので、岩湧山はすぐにわかりますね。

寿里苑フルール(外部リンク)は、社会福祉法人博光福祉会が経営している高齢者施設のひとつで、要支援または要介護に認定された河内長野在住の方が利用する施設です。

バス道を歩くこと15分ほどで、緑の建物が見えてきました。

こちらが寿里苑フルールです。加賀田公民館とリモートでコンサートの中継が実現するわけですが、田村さんの話では寿里苑側もこの企画に喜んで賛同してくれたそうです。

フルールのほかに道路を挟んだ南側に、同じグループの寿里苑フェリスがあります。田村さんの話では最近、寿里苑で働く人の中にベトナム国籍の人が随分と増えてきているそうです。

そのためベトナムの人と地元の人とを結ぶ何か交流イベントのようなことが将来的にできればと言っておられました。

フルールのあった場所は南青葉台の交差点です。ここまで来るとあるものを見つけました。

南青葉台と南ケ丘を結ぶ車作橋のあたりが桜の穴場のようなのです。

車作橋から南ヶ丘方面を見てみましょう。

一気に桜が咲いていて、まさに春の景色になっていました。数日前の雨の日の様子なので今頃は見頃だと思います。

この時はまだ3分咲きくらいだったでしょうか?

ということでリモートコンサートをはじめ、加賀田公民館の活動を紹介しました。子ども向けの企画も新たに始まりますので、興味がある方はぜひ問い合わせてみましょう。

河内長野市立加賀田公民館
住所:大阪府河内長野市加賀田617-4
アクセス:南海三日市町駅からバス 加賀田小学校前バス停より徒歩1分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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