M3搭載MacBook AirはAI処理がスゴイ【本音レビュー】
3月8日に世界で最も人気のあるノートブックである「MacBook Air」に新しいチップである「M3」が搭載されたモデルが発売となる。
今回、発売前ではあるが、一足早く「M3搭載MacBook Air 15インチモデル」をアップルから借りることができた。気になるパフォーマンスをチェックしてみた。
まず、M3搭載MacBook Airの外観だが、デザインは従来モデルと全く変わらない。サイズも外寸だけでなく重さも一緒となっている。ただ、中身に関しては、かなりの進化を遂げている。筆者は3年前に購入したM1 Maxを搭載したMacBook Proを所有しているが、正直言って「買い換えようかな」と迷い始めているほどだ。
やはり、MacBook Airの「薄さは正義」と言えるほど、魅力的で完成の域に達したデザインと得るだろう。
実際に「Geekbench 6」というベンチマークアプリを使って測定してみたが、前モデルとなるM2搭載MacBook Airと比べても、CPUの比較で10%程度、GPUは5%程度、処理能力が上がっていることがわかった。ただ、もともと、最近のMacBook Airはアップルが設計、開発したMシリーズのチップを搭載したことで、俄然、処理能力が上がっているのだ。
これが、過去にあったインテルのチップ搭載モデルと比べると歴然な差が出ているのだ。もし、いまだにインテルのチップが載ったMacBook Airを所有し続ける人がいたら、いますぐに買い換えをオススメする。それぐらいにハッキリと性能の違いが出ている。インテルのチップが載ったMacBook Airでアプリの起動や処理で無駄な時間を過ごすのはもう辞めるべきだ。
今回のM3搭載MacBook Air、アップルではやたら「Ai推し」なアピールが強い。アップルというと、グーグルやマイクロソフトに比べるとAIのイメージがあまりないのだが、M3搭載MacBook AirではNeural EngineによってAIのパフォーマンスを上げているという。
最近のソフトではテキスト変換や画像認識などでデバイス上でAIを処理することが多い。ソフトによってはクラウドにすべて上げて処理して、デバイスに返すというAI処理もあるのだが、これからは「オンデバイスAI」といって、デバイス上で処理するAIが増えてくるものと思われる。
実際に動画編集ソフトであるアドビ「Premiere Pro」で動画のシーンをAIが判別して、自動でシーンごとにカットしてくれる機能があるのだが、1時間の動画ファイルをM3搭載MacBook AirでAI処理したところ、2分53秒で処理を終えた。これが3年前のMacBook Proでは6分4秒もかかったことを考えると、M3搭載MacBook AirはAI処理にかなり強いと言うことがわかる。
実際、3年前のMacBook Proはチップを2つ、載せることでパフォーマンスを上げているため、M3がひとつしかないM3搭載MacBook AirがここまでAI処理がスゴイとは思わなかったのだ。今後、ますますデバイス上でAIを処理するソフトが増えてくる中、さすがにこんな数字を見せられてしまったら、買い換えを検討したくなる。
もうひとつ、隠れた進化と言えるのがWi-Fi機能だ。M3搭載MacBook Airでは「Wi-Fi 6E」という規格に対応している。Wi-Fi 6Eとは従来の2.4GHz、5GHzの周波数に加えて、6GHz帯が使えるようになっている。6GHz帯のWi-Fiは新たに開放された帯域であるため、空いている周波数帯であり、干渉を受けにくく、速度も低下しにくいとされる。
実際にWi-Fi 6Eに対応したルーターに接続したところ、1164Mbpsの速度を出すことができた。これが5GHzにつなぐと744Mbps、2.4GHzだと84Mbpsまで落ちてしまう。
自宅内での動画視聴やビデオ会議を考えると、間違いなくWi-Fi 6Eに対応したM3搭載MacBook Airが欲しくなるというものだ。
M3搭載MacBook Airは13インチで16万4800円からと従来に比べると気軽に買える値段ではないが、確実に満足できるデザイン、性能に仕上がっていることは間違いないだろう。