【土浦市】芝居でしか表現できない土浦がある、4月9日開演の『桜の記憶』の稽古場に潜入してきました
2023年4月9日(日)にクラフトシビックホール土浦で『桜の記憶』という舞台公演があります。演者やスタッフ数は延べ200名以上。公演間近で熱気がこもる稽古場にお邪魔して、どのような物語で、どのようなメッセージが込められているかも伺ってまいりました。
このポスターをご覧になった方も多いのではないでしょうか
最近、土浦市内を歩いていると『桜の記憶』と書かれたこのポスターをよく見かけます。市役所や公民館などの公共施設ではチラシを手にすることも。裏面に記載されているあらすじを読んでみると土浦を題材にした舞台が行われるようです。
舞台の稽古が行われてると聞いて伺ったのは土浦市立二中地区公民館。本番に向けて舞台装置が整うまでの間、1階にある集会室が稽古場として利用されていました
夕方6時から8時まで稽古と伺っていたので30分前にお邪魔したのですが、すでに集会室には演者やスタッフが集まっていて、1分1秒を惜しむように稽古がスタートしていました。
「舞台じゃなきゃ伝えられない“土浦”を感じてほしい」
『桜の記憶』の脚本を書き、演出を手がけるのは稜地一週(五頭良二)さん。茨城県演劇連盟の会長であり、今年で51年目を迎える「劇団創造市場」の代表も担っています。
これまでに167作品の演出を行ってきた稜地一週(五頭良二)さんですが、本作品には並々ならぬ思いがあるようです。
「どういう舞台をやろうかと話し合ったときに、土浦の歴史を今語らずしていつ語るんだとなりました。最大のテーマは土浦の歴史、戦争のむごさ、人と人とのふれあい、出会いと別れ。そのすべてを桜川沿いの桜に絡ませて表現した作品です」
『桜の記憶』は、1972年(昭和47年)に設立された土浦市文化協会の50周年を記念して行われる舞台。土浦市文化協会とは、文化・芸術に関する活動全般を指し、演劇のほかに詩吟や茶華道、祭囃子など15連盟、62団体が加盟しています。
『桜の記憶』の舞台には、劇団創造市場の役者さんのほかにオーディションに合格した約60名余りの市民、さらに土浦市文化協会に所属する音楽、詩吟、バレエ、祭囃子、民俗文化、民謡民舞踊といった連盟が垣根を越えて出演します。
上の写真は、舞台の幕が上がってすぐのシーンの稽古しているところ。詩を吟じながら踊るという難題に挑んでいる最中です。
上の写真は、昭和13年に記録的な洪水に見舞われた土浦の様子を表現したシーン。
ビュービューと吹き荒れる強風の音がリアルで、まっすぐに立っていられないほどの様子が伝わってきます。
「昔は大雨が降ると堆積した利根川の水を霞ヶ浦に流し込んでいたそうです。その影響で土浦中に水が逆流して、何度となく水害に見舞われた歴史があります」
今では考えられませんが、ひどいときには1カ月も水が引かなかったという歴史があり、その時に物資供給や復旧活動を担ってくれたのが海軍でした。
そうした活動の中で出会ったふたりが舞台の主人公です。戦前戦中戦後という激動の時代のうねりの中で出会いと別れを繰り返すふたりのロマンスを通して土浦の歴史が語られていきます。
「土浦で起きた忘れてはならない物事や事件を舞台で表現して、未来に繋げていきたい」と稜地一週(五頭良二)さん。
図書館で歴史の本を読んだり、博物館で歴史のカケラにふれることはできますが、生の声を聞いて生の演技を見ることで、感じること、伝わることがたくさんあると言います。
稜地一週(五頭良二)さん所有の台本は、稽古を行うたびにふせんの数が増えていきます。
稽古を繰り返していくうちに舞台のイメージも湧いてくるのでしょうか。台本には舞台美術のイメージなどもところどころに記されています。
舞台の幕が上がるまでもう間もなく。
芝居と詩吟、合唱、民謡民舞踊、祭囃子などが融合された新しいエンターテインメントを楽しみに、そして土浦の歴史を体感しに。
『桜の記憶』を鑑賞しに出かけてみませんか。
土浦市文化協会50周年記念事業
桜の記憶
日時:2023年4月9日(日) 第1部13:00(12:30開場)/第2部17:30(17:00開場)
会場:クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)大ホール
茨城県土浦市東真鍋町2-6 MAP
入場料金:1800円(全席自由席)
問い合わせ先:土浦市文化協会事務局(土浦市教育委員会文化振興課内)029-826-1111(代)
販売窓口:
■土浦市教育委員会文化振興課
茨城県土浦市大和町9-2(ウララビル7階) MAP
■クラフトシビックホール土浦
茨城県土浦市東真鍋町2-6 MAP
■土浦市亀城プラザ
茨城県土浦市中央2-16-4 MAP
■ワークヒル土浦
茨城県土浦市木田余東台4-1-1 MAP