どの「ペイ」がどのコンビニで使えるのかまとめてみた
7月1日より、セブン-イレブンと、ファミリーマートがそれぞれ独自のQRコード決済サービス「7Pay」「FamiPay」を開始しました。
あわせて、「PayPay」「LinePay」「メルペイ」も、セブン-イレブンでの支払いに利用することができるようになりました。
現在、乱立し、覇権争いを行っているQRコード決済サービスですが、普及のためには、利便性を上げていくことがとにかく重要です。したがって、多くの『○○ペイ』にとって、「毎日使える」「全国にある」コンビニエンスストアは必ず押さえたい拠点の一つに違いありません。
これまでのところ、決済手段の対応数ではLAWSONがリード。ファミリーマートもPayPayの100億円キャンペーンをきっかけにQRコード決済をする場所、というイメージがつきました。それに対して、セブン-イレブンはやや遅れをとっていた格好ですが、今回「PayPay」「LinePay」「メルペイ」が使えることになり、さらに「7Pay」を始めることで、一挙に他のコンビニチェーンとの差を詰めることになりました。
どこのコンビニで、どの「ペイ」が使えるのか?
どこのコンビニエンスストアで、どの『ペイ』が使えるのか図にしてみました。それが下記です。
このように、どの『ペイ』がどこのコンビニで使えるのか?はすでにカオス状態となっており、万人がぱっと理解できるものではありません。
これに加えて「ドラッグストア」や「家電量販店」「飲食店」「スーパーマーケット」なども含めると、もはや視覚的に理解できるグラフにするのは不可能なレベルです。
現在のところ「PayPay」「LinePay」が4つのコンビニチェーン全てと提携しています。(メルペイはiD決済ならファミリーマートで支払い可能)
さらに「AliPay」「WeChat Pay」の海外系QRコード決済も4つのチェーン全てと提携しています。
nanacoポイントの改悪と「ポイント2倍」の疑問
今回、7Payを開始するにあたって、セブン-イレブンでは「ポイント2倍キャンペーン」をやっています。
※出典 セブン-イレブン・ジャパンのホームページ
「ポイントが2倍なんだ!オトク!」と思えますが、実は、そうではありません。
こんなカラクリになっています。
これまで1%(ピンク)だったnanacoの還元額が、0.5%(緑)に改悪されます。
そのうえで、キャンペーンポイントが0.5%つきます。(10/31まで)
確かに、本来の付与率である「0.5%」に対してはポイント2倍になっているのですが、実質は1%のままで、何も変わっていません。
もともとのポイントを半分に減らしておいて、「2倍にしました!」というのは、キャンペーンの姿勢としてどうなのでしょうか?国内最多の店舗数を誇るセブン-イレブン・ジャパンがこんなマッチポンプな告知のやり方をやっていいのか?と疑問に思います。
9月より新たな「セブンマイルプログラム」も始まり、結果的に、1%の還元は維持されますが、これまでは最低100円で1円分のポイントが付いていたところ、最低200円からとなることも改悪です。また、一つのnanacoポイントで還元されていたのが、一旦『セブンマイル』になってから、それをnanacoポイントに交換する形になる、というのも不便です。これまで、1%つくことからせっせとレジで入金して支払っていたのですが、これは本当に残念です。
どの『ペイ』を使うのが一番オトクなのか?
7月11日(セブン-イレブンの日)から11日間、「PayPay」「LinePay」「メルペイ」の3社が合同で、「最大20%」という超大型キャンペーンを実施します。この期間は、他のコンビニにはいかず、セブン-イレブンですべてを済ませるぐらいの気持ちで行くのがいいでしょう。(ただし、最大還元額には上限があります)
実は、6月に、LinePayがファミリーマート、LAWSON、ミニストップ、セイコーマートなどで買い物をすると、通常のポイントバックに加え、さらに15%のポイントバックがもらえる「コンビニ祭」を開催していました。
PayPayは7月からオーケーストアなどのスーパーマーケットで20%オフになるキャンペーンもやります。
Origamiも期間限定で「半額キャンペーン」などを実施しています。
これら、「なんとかPay」各社のキャンペーンサービスの原資は、それぞれの会社が負担しています。当初2−3年は大赤字になってでも、いま一番手を獲得することで、将来に渡って、そのポジションが維持できるのでは?という狙いからです。
しかし、当然、誰かの赤字を前提にしたチキンレースはそう長くは続きません。いまこのお祭り状態が続いている中、いち消費者としては、一つのペイに縛られるのではなく、「今日はどこのコンビニに行って、どのペイを使うのが一番お得か?」を常に考えながら、日々買い物をするのが良さそうです。
この状況が長い目で見て本当にいい状態なのか?それがわかるのはまだもうちょっと先のことになりそうです。
※図はすべて筆者作成。図中のロゴは各社の登録商標です。
追記:当初の図で利用できる場所に一部間違いがありましたので修正しました。