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藤井聡太挑戦者(19)後手番で完璧ブレイク! 渡辺明王将(37)を降して王将戦七番勝負2連勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月22日・23日。大阪府高槻市・山水館において第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局▲渡辺明王将(37歳)-△藤井聡太挑戦者(19歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 22日9時に始まった対局は23日16時15分に終局。結果は98手で藤井挑戦者の勝ちとなりました。

 七番勝負はこれで藤井挑戦者の2連勝。初の王将位獲得、および史上最年少五冠達成まで、あと2勝としました。

 第3局は1月29日・30日、栃木県大田原市・ホテル花月でおこなわれます。

 両者の対戦成績はこれで渡辺2勝、藤井10勝となりました。

 藤井挑戦者の今年度成績は48勝12敗(勝率0.800)となりました。

 藤井挑戦者はこれで年度勝率8割復帰です。

藤井挑戦者、完勝で連勝

 1日目でリードを奪った藤井挑戦者。2日目午前には、はっきり優位に立ちました。

 75手目。渡辺王将は藤井玉の頭に歩を成って、王手をかけます。藤井挑戦者は自玉に王手がかかった状況で次の手を指さず、昼食休憩に入りました。

 昼食休憩のあと、藤井玉はと金を払い、王手をしのぎました。

 ターンが変わり、今度は藤井挑戦者が相手玉を追い詰めていきます。

 87手目。渡辺王将は1時間14分を使いました。自身の非勢を感じざるをえない、つらい時間だったのかもしれません。そして玉を早逃げし、中空を見つめました。

 93手目。渡辺王将は相手玉に迫って形を作ります。この瞬間、渡辺玉に即詰みが生じました。

 詰将棋を解かせたら世界一の藤井挑戦者。誤ることなく王手をかけ、渡辺玉を即詰みに討ち取りました。

 藤井挑戦者はこれで鮮やかに2連勝です。

 今期王将戦リーグが終わった際のインタビューで「自分としてはあまり2日制が得意という印象ではない」と語っていた藤井挑戦者。2日制タイトル戦の成績はこれで14勝1敗(勝率0.933)となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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