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オートバイのあれこれ『ヤマハのサンマ』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『ヤマハのサンマ』をテーマにお話ししようと思います。

「ヤマハのサンマ…?ヤマハは漁業もやってるの?」

と思った20代のナウでヤングな方々も多いことでしょう。

ただ、違います。

「ヤマハのサンマ」とは、レーサーレプリカモデル・TZR250のこと

▲1989年登場の3MA型TZR250
▲1989年登場の3MA型TZR250

TZR250は初代が1985年(昭和60年)に登場し、その4年後の89年にモデルチェンジが行われ、型式が「3MA」となりました。

この「3MA」を、当時のバイク好きたちは「3(サン)MA(マ)」と読んだ(呼んだ)のです

TZRはどの型式も総じて人気が高かったようですが、知名度で言えばこの3MA型が最も有名かもしれませんね。

3MA型は歴代TZRの中でもメカニズムが特に個性的で、「後方排気」と言われるパワーユニットを持っていました。

後方排気をザックリ説明すると、エンジンを搭載する向きが一般的なバイクと反対だったのです。

オートバイではエンジンの後ろ側から空気を吸い(吸気)、前側から吐き出す(排気)構造が一般的なのですが、3MA型TZRは前から吸って後ろに吐き出すレイアウトとなっていました。

▲通常のバイクは、前方排気
▲通常のバイクは、前方排気

これは、当時のヤマハのレーシングマシンをマネたもの。

当時のレーサーレプリカブーム下では、「どのくらいレーシングマシンと近い設計になっているか」ということが市販バイクの評価基準になっていて、メーカーもそのトレンドに沿った市販車作りをしていたのです。

この後方排気レイアウトはレースシーンでは功を奏したのですが、ツーリングライダーが一般道を走る上ではあまり恩恵が無く、斬新なメカニズムではあったものの、この3MA型TZRに採用されたのみで消えていきました。

「レーシングマシンに近ければ近いほどエラい」というレプリカブーム時代の風潮を如実に映し出したバイクだったと言えるでしょう。

▲マフラーが車体の上方に来ているのも特徴的
▲マフラーが車体の上方に来ているのも特徴的

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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