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ロシア軍の新型ICBM「RS-28サルマート」の試験サイロが爆発事故を起こした模様

JSF軍事/生き物ライター
参考写真:ウクライナ戦略ミサイル博物館より重ICBM「R-36」(写真:イメージマート)

 9月21日、ロシア軍の新型ICBM「RS-28サルマート」が爆発事故を起こしたことが衛星画像で確認されました。プレセツク宇宙基地の試験サイロに大穴が開いています。

プレセツク宇宙基地:RS-28サルマート試験サイロ

 発射時の失敗なのか、あるいは燃料充填時の何らかの事故なのかは分かりません。ただし発射の場合ならばアメリカに対し予告がある筈ですが(試験発射を実戦発射と誤解されないようにお互いに予告する協定がある)、事前にアメリカ軍の弾道ミサイル追跡機「RC-135Sコブラボ―ル」には動きは見られませんでした。

 ロシア軍は2023年9月1日にRS-28が実戦配備に就いたと発表していましたが、このような事故があるようではまともな戦力化が出来ていない恐れがあります。

 RS-28は現行型R-36M2(またはRS-20Vの名でも知られる)の後継機となる固定サイロ運用の液体燃料式の重ICBMで、世界最大のICBMです。R-36M2はソ連時代にウクライナで開発されたもので、ソ連崩壊後の後継機であるRS-28はロシアが独力で設計を行っています。それが上手く行っていません。

 しかし現状では戦争中の相手であるウクライナに技術支援を求めるわけにもいかず、古くなったR-36M2の寿命延伸改修も難しい状況です。RS-28の戦力化が遅れるとロシアの核戦力の一部に穴が開くことになりかねません。

関連記事:ロシア軍のRS-28サルマート大陸間弾道ミサイルは発射重量208トン、弾頭重量10トン(2022年5月14日)

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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