カビの季節、浴室のドアは開けるか閉めるかどっちが正解?
ジメジメした季節になりました。カビ発生の原因として温度(20~30度)・湿度(70~80%)・カビの栄養分(ホコリや汚れ)がよく言われますが、この3つの条件が整いやすいエリアのひとつに浴室・洗面所があります。
狭い空間で脱衣をするためホコリがたまりやすく、浴室使用時には湿度や温度が高まるからです。そこで、有効なカビ対策のひとつ「換気」についてお伝えしたいと思います。
浴室のドアは開ける?閉める?
浴室使用時、早く湯気を外に出そうと換気扇を回しつつ浴室ドアや窓を開けたくなりますが、実はこれは逆に換気扇の効率を下げてしまいます。
数年前浴室をリフォームした際に、メーカーさんに教わったのが「窓やドアを開けない換気方法」です。
ドアから出た湯気はどこへいく
浴室のドアを開放すると、換気扇を回していても空気は浴室外へ放出されてしまい湯気(湿気)は洗面所に流れ込んでしまいます。空気の量が多すぎて換気扇の容量をこえてしまうため、上手に浴室内の空気の循環ができなくなるからです。
洗面所には落ちた毛髪、脱衣や洗濯ものから出る繊維クズによるホコリなどがたまっています。そこに湿度が加わると、カビ発生ポイントが増えることになってしまうのです。
窓を開けても換気が偏る
窓のある浴室ではどうでしょう。窓を開けると外気が大量に流れ込みます。こちらもドアと同じで、換気扇の容量に対して外気の量が多いとバランスが崩れ全体の換気が上手にいかなくなります。
さらに、季節や気候によって外気が冷たすぎたり、湿気(雨の日)が多すぎるなど湿度のバランスも崩れて結露の原因になってしまうことも。
※換気扇のない窓だけのタイプの浴室の場合は、窓を上手に使った換気方法が必要になります。
空気を入れる×出す、それが「換気」
では、ドアも窓も密封して換気するのが正解かというと、もうひとつポイントがあります。
それは「空気の入口」です。
「換気」とは外からの空気(適量)を入れて、室内の空気を排気して循環させることです。
多すぎず、少なすぎずバランスよく入れることで循環して出ていく・・天下の周りモノみたいなイメージでしょうか。
それには換気扇の容量に合った適量の空気の入口になる「給気口」を作るのがポイントです。
浴室ドアには、この空気の入口としてドアの一部に「ガラリ」と呼ばれる設備がついているのが一般的です。蛇腹状になっていたり、ドアの上部に切り込みが入っていたりします。
ドアを閉め切っていても、この小さな隙間から適量の空気が入り換気扇によって中の空気が外に排出され空気が循環して「換気」できるというわけです。
浴室ドアにガラリがない場合には、ドアを数センチだけ開けて空気の「給気口」を作ってから換気扇を回せばOKです。
トイレのドアもよく見ると、部屋のドアに比べて長さが短く床の上にスキマがあります。トイレ内の換気を上手にするための給気口です。
給気口プラス閉めるのが正解!
つまり「空気の入口(給気口)を設けた上でドアや窓を閉めた状態で換気扇を回す」ということで、効率よく換気できるのです。
上手に換気できていれば、浴室内の湿度も素早く下がり乾燥するためカビ発生の抑制につながるというわけです。
理由を知ると対策しやすくなる!
換気扇の正しい使い方や浴室ドアの開閉問題、わかっているようなわからないような~モヤモヤする小さな生活のギモン点ではないでしょうか。
なぜ閉める方がよいのか、換気のバランスって何なのかなど理由を知ると、へえ~なるほど!と納得できるので継続して実践しやすくなります。
カビは生えると、掃除が面倒です。そうなる前にぜひ対策してみてくださいね!