婚活界の「第二新卒」。30代バツイチ独身男の見つけ方、捕まえ方
恋愛や結婚に前向きで、女性とのコミュニケーションにも問題がない30代未婚男性を探すのは、STAP細胞の存在を確認するぐらい難しいことかもしれない。
僕は今年4月から個人的に「お見合いおじさん」活動をしているが、同世代の未婚男性で結婚願望がある人を確保するのに苦労している。同級生に声をかけても、「そういう話ならお断りする!」ときっぱり言われたり、「実はオレ、女性には性的に興味がないんだよ」と告白されたりする。
30代未婚女性はこちらから「登録」を断らなければならないほど積極的だ。しかも美人で会話上手。20代のときに本気を出していたら今ごろ結婚していたような人が多い。もちろん、そのときは仕事や勉強や恋愛に没頭していて、リアルな生活設計が必要な結婚を考えたくなかったのだから仕方ない。
かといって、男性側の買い手市場というわけでもない。相手の女性との関係性を自然に深めていくことができなければ、女性のほうから「会話もできない人と暮らすぐらいなら、私は一人で生きていく」と宣告されてしまうからだ。お金や体面のために愛のない結婚をする女性は僕の周りには少ない。
女性からたまに聞くのは、「30代バツイチ独身男最強論」だ。彼女たちによれば、「いい男はたいてい早くに結婚しているのだから、30代半ばになって未婚の男には『残り物にはワケがある』と思ってしまう。といって、結婚と離婚を繰り返しているような人も困る。一回失敗して子どももいないぐらいの男性がちょうどいい。30代バツイチ男はモテるよ!」とのこと。
僕も30代前半で離婚をした。残念ながら「バツイチモテ」の経験はできなかったが、離婚の数か月後には学生時代の同級生と付き合い始め、1年半後に再婚して現在に至る。
自分自身を振り返ってみても、バツイチ男は狙い目だ。一度手痛い失敗しているので、ともに生活するパートナーとしての相性も自然とわかるようになる。慎重にはなるけれど、「この人なら大丈夫」と感じたら話が早い。初婚のときよりはワガママさが薄まり、妻と意見がぶつかったりすると「オレのほうが間違っているのだろう」という気持ちになる。
近年、大企業でも「第二新卒」を積極採用する動きが出ている。超人気企業ならば新卒だけで十分に人員を確保できるが、地味な業種などで学生にはアピールしきれない企業は、「一度社会に出て苦労して少しは視野が広がった若手社会人」を狙うのだ。新卒のように白紙の状態から企業文化に染め上げることができないが、仕事の厳しさとありがたみを知った大人としての活躍を期待できる。
では、30代バツイチ独身男はどのようにして見つけて、捕まえるべきか。まずは捕獲網を的確な場所に広く張る。生活観や職業観を共有しやすい同級生や同僚のつながりが最適だ。仲の良い既婚者たちに婚活中であることをはっきり伝え、男性を紹介してもらった場合は好みのタイプではなかったときも感謝の気持ちを早めに伝える。義理を欠かさずにいれば、いつか「大物」が網にかかるかもしれない。
30代バツイチ独身男と出会い、恋愛や結婚を視野に入れられると感じたときは、とにかく明るく接することが重要だ。離婚直後などの場合、彼らはかなり疲れており、場合によっては人間不信に陥っている。同時に、寂しさも感じており、楽しく一緒に過ごせる他者を渇望している。離婚のことには極力触れず、朗らかに対応するのが得策だ。
関係性が深まってきたら、「あなたは経験豊富だから心強いわ。結婚手続きはよろしくね。私は不慣れだから!」などと笑いのネタに変えてしまおう。彼は苦笑しながらも救われたような気分になるはずだ。
なお、離婚歴をキズモノとみなす両親がいたり、自分自身も気になってしまうようならば、バツイチ男には近づかないほうがいい。「バツ」であり「キズ」であるのは確かだけれど、彼らにとってはかけがえのない失敗経験なのだ。「あらかじめ失敗しておいてくれて助かるわ~」ぐらいの気持ちで接することができるならば、ぜひ30代バツイチ独身男を探してみてほしい。