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ウクライナのハルキウ州当局、リモートで操作して地雷・不発弾・ドローンを探知・除去「無人地雷除去車」

佐藤仁学術研究員・著述家
(ハルキウ州当局提供)

地雷だけでなく不発弾や神風ドローンの破棄も

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍は大量の対人地雷、戦車用の地雷をウクライナの最前線に設置している。ロシアは対人地雷の使用、生産、移譲などを禁止しているオタワ条約(対人地雷全面禁止条約)に加盟していない。

多くのウクライナ兵や一般市民が対人地雷の犠牲になっている。地雷では殺害されることはほとんどないが、手足が吹っ飛んでしまう。また小型のおもちゃのようにも見える対人地雷は子供や一般市民が拾ってしまい、爆発したら手足が吹っ飛んでしまう大けがをすることになる。

地雷の他にも不発弾や、迎撃されたが上空で爆発しないで墜落した「爆弾を搭載した神風ドローン」なども地上に散乱しており、それらも何も知らずに踏んだり触わってしまうと爆発する危険性がある。

そんななか、ハルキウ州の当局では、遠隔からリモートコントロールで地雷を除去する「無人地雷除去車」での地雷の調査と破壊して除去する作業を行っている様子を紹介していた。「無人地雷除去車」は遠隔操作なので運転手はいない。従来のように人間が探知して除去するよりも効率的で安全である。このような危険な業務には無人のロボットが適している。地雷だけでなく不発弾や神風ドローンも探知して破棄することができる。

地雷が爆発して死ぬことは少ないが、手足が吹っ飛んでしまい不自由な生活をせざるを得なくなる。また対人地雷で大けがをした負傷兵の世話をしないといけないので軍隊のオペレーションにとって大きな負担となる。さらに負傷した軍人や市民らは生涯にわたって不自由な生活を強いられることになる。そのため地雷は発見したらすぐに除去しないといけない。紛争が終わってからも地雷が残っていると、地雷が埋められていることを知らないで市民や子供が地雷に触れてしまい爆発する危険がある。

▼リモートで操作して地雷を探知・除去するハルキウ州当局の「地雷除去車」

ハルキウ州で地雷や不発弾の除去
ハルキウ州で地雷や不発弾の除去写真:ロイター/アフロ

ハルキウ州で地雷や不発弾の調査
ハルキウ州で地雷や不発弾の調査写真:ロイター/アフロ

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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