【速報】日本海側の大雪による新潟県直江津駅の状況
昨夜からの大雪で日本海側の広い範囲で交通に乱れが生じています。
新潟県内ではJR各線で運休や列車の遅れが発生していますが、筆者の勤務するえちごトキめき鉄道の直江津駅では、大雪の影響で架線トラブルが発生し貨物列車が立ち往生している関係で、えちごトキめき鉄道線内の妙高はねうまライン(直江津-妙高高原)と、日本海ひすいライン(直江津-市振-泊)の全区間で運休が発生しています。
えちごトキめき鉄道は北陸新幹線の開業とともに、それまでのJR信越本線と北陸本線の一部区間を沿線県市が引き受けた並行在来線と呼ばれる第3セクター路線で、直江津を起点として山側の妙高はねうまラインと、海側の日本海ひすいラインの2つの路線からなる全長97kmの路線です。
現状ではその両線の起点となる直江津駅で架線トラブルが発生している影響で、両線とも運転ができない状態となっています。
【状況】
雪は昨夜から降り続いていますが、最終列車までは何ら問題なく運転を終了しました。妙高はねうまライン、日本海ひすいラインの両線においては最終列車後に全線で除雪機械を導入して除雪作業を行い、始発列車からの運転開始に備えていました。
午前3:53、貨物第3092列車(新潟貨物ターミナル発、福岡貨物ターミナル行、機関車EF510-10、20両編成)が直江津駅を発車して構内分岐器に差し掛かったところ異常を感知して停車。
乗務員が確認すると機関車のパンタグラフが破損し、架線が断線していることが判明しました。
このため、現在直江津駅では駅構内すべてにおいてき電停止(架線に電気を流すのを止めること)状態となっており、列車の運行ができない状況となっています。
また、パンタグラフに絡まって切れた架線がコンテナ車両に接触して火災が発生したことから、直ちに消防が出動し消火に当たりました。
火災は小規模なものですぐに鎮火しましたが、現在消防が現場検証を行っていて、列車を動かせない状況にあります。
直江津駅構内の全ての架線に電気が通っていないため、本日の始発以降、直江津駅を発着する全列車が運転できない状況です。
また、ひすいラインについては駅構内のひすいラインへの分岐器を貨物列車がふさいでいるため、全列車が運転できない状況です。
【運転再開計画】
11:00現在、運転再開のめどは立っておりません。
立ち往生している貨物列車を動かすことができないのはもちろんですが、架線電気が停止しているため、貨物列車救援のための機関車も直江津駅構内に入ることができません。
また、消防署の現場検証が続いていることから、その意味でも当該列車を動かすことができません。
手順としては架線の修復が第一ですが、切断された架線が約100mと長く、えちごトキめき鉄道としては自社の力で応急処置できる状況にはありません。県内の電気事業者を招集していますが、大雪で道路状況もよくないことから工事事業者が到着していない状況で、資材調達、作業開始などの目途も立っていないところです。
並行して運転再開後の除雪作業の手配を取っていますが、現状では本日終日運休とのお知らせを出さざるを得ない状況です。
以上が現状と今後の対策、運転再開計画となります。
ただし、雪が降り続いていることから作業が難航することが予想されています。
また、故障個所の修復が終わったとしても他の場所で雪害が発生する可能性があります。
気象台からも不要不急の外出は避け、やむを得ず外出するときには防寒対策や非常用の食料などを持って出かけるようにとアナウンスが出されている状況です。
ご利用予定の皆様方にはご迷惑をおかけいたしますが、状況をご理解いただきたく速報としてお知らせさせていただきました。
※本文中に使用しました写真はすべて筆者撮影のものです。