「スナイデル」がルミネ新宿店を改装し水上市場が出現! 近藤社長が半年限定の特別コンセプトストアを語る
・「スナイデル」が旗艦店を半年間限定のスペシャルコンセプトストアに
・シーズンコンセプトに最適な店装デザインにリニューアル
・近藤広幸社長に取り組みの背景と狙いを聞く
マッシュスタイルラボが今日2月28日、「SNIDEL」(スナイデル)の旗艦店であるルミネ新宿 LUMINE2店をリニューアルオープンした。ファッション店舗の改装では、早いところで3年、平均で5年といわれており、中には10年近く店舗投資をしていない企業もある。
そんな中、「スナイデル」は2016年9月にリニューアルしてから2年半。しかも、今秋には新デザインへの改装を控えている中での改装で、「半年間限定のスペシャルコンセプトストア」と位置付ける。
わずか半年のために投資をし、新店装に衣替えした理由を、近藤広幸社長は
「ファッションは、春夏と秋冬でテーマが変わり、展示会でもそのコンセプトに合わせて装飾デコレーションを施して自分たちが発信したいイメージをつかんでいただいている。ただ、店舗では現実的な問題(コストや改装による店舗閉鎖時期の発生など)によりそれができにくい。でも、究極的には、シーズンテーマに近しい店装で服を置きたい。そこで、一度くらいは挑戦してみようと。そして、旗艦店だからこそできる贅沢な試みによって、お客さまに驚いていただき、エキサイティングし、『スナイデル』を注目し続けてもらいたいと思い切った取り組みに踏み切った」と語る。
さらに、「コンサバな服を欲しい人は、シンプルで、誰が見ても大人な雰囲気のコンサバな店が好きかもしれない。でも、私たちが来てもらいたいのは、洋服好きな方々。(コム デ ギャルソンが運営する)ドーバーストリートマーケットなどはいつお店に行ってもワクワクさせられる。私たちも原点回帰をし、店に入られたお客さまが買い物をしたり、何かを発見してニコッとされたり、『ナニコレ!?』『面白い!』など、思わず声に出てしまうようなことができればと考えた。どこかが動いていた方がいいかなとか、魚がいたらびっくりするかな、とかいろいろなアイデアを盛り込んだので、実際に体験してほしい」と続ける。さらに、「『スナイデル』のファンはもちろんのこと、少し離れていた顧客や、これまで店前を素通りしていた方々も思わず入りたくなってくれれば」と願う。
店舗は、「スナイデル」が今季注目する、東南アジアの活気あふれるカルチャーからインスピレーションを受けた、オリエンタルムードが漂う装飾・デザインだ。煩雑なことの多い都会の中でも、自然とリラックスし、思わず顔がほころぶことを期待。生命力を感じさせる岩や樹木を配し、中央にはミニ植物園を再現。さらに、エネルギーがあふれる水上市場を思わせるように、カラフルな果物や野菜を積んだ船を4艘配しており、本物の金魚が泳ぐ金魚鉢も配されたりもしている。陳列されたバッグが回転し続ける設えや、フィッティングルーム内に描かれた植物柄の壁紙など、注目ポイントは多い。
商品についても、限定商品や打ち出し商品などを訴求力を持って販売するコーナーをショップ前面に用意。リニューアルオープン当日には、オフィシャルオンラインストアで2月20日に発売したところ180秒で即完売したという「NIKE for SNIDEL」(ナイキ フォー スナイデル)の WHITE LIMITED COLLECTIONを数量限定で再販。11時の開店に対して、朝7時過ぎには行列ができ始め、昼過ぎになっても館内に会計待ちの行列が続くなど、人気の高さをうかがわせた。
また、アカデミー賞の4部門でオスカーを獲得した「ボヘミアン・ラプソディ」の題材になった伝説のロックバンド「QUEEN」(クイーン)とのコラボコレクションの第2弾を3月1日から発売するのに先駆けて、一部商品の先行販売と、ルミネ新宿店限定商品を用意し、注目を集めていた。
ファッションブランドの中には、展示会では素敵に見えたのに、店舗ではその魅力やパワーが見劣りするケースもある。リアル店舗とオンラインストアのオムニチャネルを通じて顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス)をいかに高めるかが課題となっている今、旗艦店を中心に、テーマを明確に伝え、顧客に驚きや発見を与える「シーズンコンセプト強化型期間限定ストア」は予想以上に効果を発揮しそうだ。
ちなみに、開店初日の売上高予算800万円に対して、朝から雨が降る中、そして、平日(木曜日)にも関わらず、17時前には予算を突破。1000万円を超えるペースで推移している。
<追加:3月1日13:30>
なお、リニューアルオープン初日の売上高は1208万円に達した。