新田真剣佑×北村匠海『サヨナラまでの30分』 注目アーティスト達の音楽が“響演”し、生まれる感動
大人気俳優が共演する、完全オリジナルの青春音楽ラブストーリー
今最も忙しい俳優の一人、新田真剣佑と、同じく出演作が目白押しの、ダンスロックバンド・DISH//のボーカル&ギター・北村匠海のW主演で話題の映画『サヨナラまでの30分』(監督:萩原健太郎)が、1月24日に公開される。完全オリジナルの、青春音楽ラブストーリーであるこの映画を構成する上で大きな柱になっているのが、名曲揃いの音楽だ。数々のグッドミュージックが、登場人物の心情を鮮やかにそして繊細に映し出し、ストーリーにより深みを与え、感動を生み出している。
androp内澤崇仁が音楽プロデュース
まずはストーリーから――一年前に死んだ、バンド「ECHOLL」(エコール)のボーカル・宮田アキ(新田真剣佑)、人と関わることが苦手な大学生の窪田颯太(北村匠海)、二人を結びつけたのはアキが残したカセットテープだった。偶然拾ったアキのカセットテープを、颯太が再生する30分だけ、ふたりは入れ替わることができ、アキは颯太の体を借りて、メジャーデビュー目前に解散したバンドを復活させ、もう一度仲間と音楽をやるために、そしてバンドメンバーで、アキの恋人・村瀬カナ(久保田紗友)の笑顔を取り戻すために奔走する。2人とメンバーは、カナをメンバーに呼び戻すべく、最高の1曲を作り上げようとする。曲を作っていく中で、颯太もカナに惹かれ始め、カナもアキの面影を感じる颯太に、心を開き始めるが、カナは颯太がアキなのではないのかと気付き始める。そんな時、アキのカセットテープにも異変が起き始め、アキと颯太の入れ替われる時間は短くなっていた――。バンドメンバー山科健太(ヤマケン/G)を葉山奨之、重田幸輝(Dr)を上杉柊平、そして森涼介(B)を清原翔が演じている。
映画の肝になっているECHOLLの音楽は、andropのボーカル&ギター・内澤崇仁が音楽プロデューサーとして、いくつものバンドと共に紡いでいった。内澤はこれまでにもAimerの「カタオモイ」や、映画『君と100回目の恋』の劇中バンド・The STROBOSCORPの「アイオクリ」、映画『九月の恋と出会うまで』の主題歌「Koi」、さらに上白石萌音の「ハッピーエンド」など、様々なアーティストや映画に楽曲提供し高い評価を得ている。
内澤は今回のプロジェクトについて「新田さんや北村さんの素の要素がキャラクターに反映されて、徐々に脚本が膨らんでいったので、各バンドの皆さんから上がってきた曲をどうアレンジするのかイメージしやすかったです。映画のキャラクターと一緒で、音楽における新田さんと北村さんも声質など正反対です、声質も含めて。新田さんは甘い感じで、北村さんはロックっぽいんです。アキのいたECHOLLが、颯太が加わることで前に進んでいく、新しく変わっていく、そんなメッセージを込めたバンドにしたいとプロデューサーから聞いていたので、それは意識しています」。
雨のパレ―ド、odol、Michael Kaneko、Ghost like girlfriend、mol-74、そしてandrop内澤が楽曲提供
ECHOLLの楽曲として用意されたのは6曲。リード曲「もう二度と」を提供したのは雨のパレード。イントロのギターから切ないが、エモーショナルな歌が熱い想いを伝える。アキがカナへ向けて贈った曲で、アキ、カナ、颯太の心が動く大切なシーンで流れ、<優しさとか 悲しみとか なにもかも全部 あなたと覚えた>というサビの歌詞が、映画全体の重要なキーワードである、カセットテープ=“記憶”が紡ぐ物語、を象徴しているようだ。オープニングとエンディングを彩る、もうひとつのリード曲で、アキと颯太がWボーカルを務めた「瞬間」は(エンディングは“sayonara ver.”」は、5ピースバンド・odolが書き下ろした。ピアノが響き渡るキャッチーなイントロ、相性抜群の二人の声が重なった時の心地のよさが印象的な楽曲だ。
そして内澤が「ある意味ゴールのような曲」という、Michael Kanekoが提供した「真昼の星座」は、この映画のクライマックス、フェス「りんご音楽祭」のシーンで演奏される大切な曲だ。
初の楽曲提供、初の劇中歌制作のアーティストが多く、エネルギーに充ちた楽曲が“熱”を生み出す
さらにandrop内澤が「風と星」、今回が初の楽曲提供となるシンガー・ソングライター岡林健勝のソロプロジェクト・Ghost like girlfriendが「stand by me」、そして昨年メジャーデビューを果たした4 ピースバンドmol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)が「目を覚ましてよ」を書き下ろした。注目アーティストが顔を揃えているが、これが初の楽曲提供、初の劇中歌制作というアーティストも少なくなく、ありったけのエネルギーが注ぎ込まれ、いい意味で力が入った傑作揃いだ。そしてその個性溢れるアーティストが作り上げた楽曲を、内澤がアレンジを施し、内澤のフィルターを通してECHOLLの曲に変換させているのだから、なんとも豪華な“共演”であり“競演”だ。そんな音楽たちを、ECHOLLのメンバーはしっかり自分たちの曲として昇華させ、バンドアンサンブルを作り上げ、「りんご音楽祭」での演奏シーンは、感動的だ。
新田真剣佑演じるアキの圧倒的な華やかさと、周りを巻き込むエネルギー、しかしどうしようもない淋しさを抱えているキャラクターと、北村匠海演じる颯太は孤独感に苛まれているが、徐々に前向きになっていくキャラクター、この二つのキャラクターが交錯するが、二人に共通している“繊細さ”が、内澤が作る音楽の大きな魅力である“切なさ”となって、音楽の中で輝きを放っている。
「もう二度と」の配信がすでにスタートしているのに続いて、映画本編の中で重要な鍵としてカセットテープが登場するということもあり、この映画のサウンドトラック(ECHOLL / Rayons名義)が、CDの他にカセットテープでも1月22日に発売された。ECHOLLが披露するナンバーと、作曲家/ピアニスト Rayons が手がけた劇伴曲が収録されている。カセットテープは映画公開劇場と、ECサイト・Sony Music Shopで限定販売されている。