ロシア軍少将が犠牲となったシリア南東部でのイスラーム国による爆破攻撃の瞬間を捉えた映像が拡散される
アアマーク通信発表
イスラーム国に近いアアマーク通信は8月20日、シリア南東部での爆発でロシア軍将兵4人が死傷した事件への関与を認める記事を、テレグラムを通じて配信した。
「ロシアの上級士官と「国防隊」民兵の司令官をヒムス砂漠に仕掛けた爆弾で殺害した」と題された声明の内容は以下の通り。
ロシア国防省発表
ロシア国防省は18日の声明で、ロシア軍の車列が同日、ダイル・ザウル市の郊外15キロの地域での人道支援活動を終え、市内の駐屯地に帰着する途上で、街道に仕掛けられていた爆弾の爆発に巻き込まれ、少将1人が死亡、兵士3人が負傷したと発表していた。
イスラーム国のメンバーが事件に実際に関与していたどうかを確認する術はないが、アアマーク通信の記事は、彼らが攻撃を自らの戦果だと主張していることを示すものである。ただし、犯行現場は、アアマーク通信がヒムス県スフナ市の東としているのに対して、ロシア国防省はダイル・ザウル市の郊外15キロの地域からの帰還途中としており、若干の食い違いが見られる。
なお、記事にある国防隊とは、シリア軍を支援する民兵のこと。
犯行現場の映像がリークされる
一方、SNSでは8月21日、ロシア軍将兵4人が死傷した爆発の瞬間を撮影したとされる映像が拡散された。
映像は、車列に参加していたシリア軍部隊の兵士が撮影し、リークしたものと思われ、シリア軍、国防隊、そしてロシア軍の将兵や車輌が多数写っている。
ロシア軍の爆撃
英国で活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が8月21日、イスラーム国が潜伏活動を続けるヒムス県東部とスワイダー県南部に対して爆撃を行った。
爆撃に参加した戦闘機は7機で、スワイダー県南部に対する爆撃は、ザルフ・ダム近くにイスラーム国が仕掛けたと思われる地雷の爆発でシリア軍兵士3人が死亡、3人が負傷したことを受けたものだという。
(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)