OBC高島・野原祐也監督、5年ぶりの鳴尾浜で古巣との練習試合《5/23 阪神ファーム》
今週の前半は公式戦が組まれていない阪神ファーム。5月23日には、もと阪神タイガースの野原祐也監督が指揮を執る、社会人クラブチーム・OBC高島を迎えての練習試合が行われました。野原監督は阪神退団後、初めての鳴尾浜です。いろんな人に会えて、励まされて「本当によかったです。試合を組んでいただいて感謝しかありません」と感激の様子。実現してよかったですね。
OBC高島は現在、7月に東京ドームで開催される『第88回 都市対抗野球』出場を目指して近畿2次予選の最中。初戦は負けましたが、まだ敗者復活戦があります。そこへ向けて貴重な経験になればいいですね。なおチーム創設以来初めてとなる2次予選進出を決めた、京滋奈1次予選決勝の模様はこちらからご覧ください。<もと阪神・“野原祐也監督”率いるOBC高島が、都市対抗近畿2次予選へ初進出!>
さて、試合は4対0で阪神が勝っています。この日は当初の予定通り、ルーキートリオ(登板順に才木投手、浜地投手、藤谷投手)が3イニングずつを投げて、しかも完封リレーでした。3人のコメントなどは次の記事でご紹介することにして、きょうは先にOBC高島・野原監督の話を中心に書かせていただきます。まずは試合結果と、両チームの個人成績、試合経過もどうぞ。
《練習試合》5月23日
阪神- OBC高島 (鳴尾浜)
高島 000 000 000 = 0
阪神 001 020 01X = 4
◆バッテリー
【阪神】才木-浜地-藤谷 / 坂本-長坂(7回~)
【高島】小田-那珂-永井‐川上‐三宅‐坂本 / 村上
◆二塁打 大山2、森越
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
【先攻・OBC高島】
1]左:中野 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]二:佐竹 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]指:余 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃打指:嶋田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
4]右:辻田 (3-2-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃走:大杉 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
5]中:白石 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打:福岡 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
6]一:濱西 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃一:吉原 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]三:三浦 (2-2-0 / 0-0 / 1 / 0)
〃三:金安 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
8]捕:村上 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
9]遊:森 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
【後攻・阪神】
1]二:植田 (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
2]左:緒方 (4-1-0 / 0-1 / 2 / 0)
3]右:陽川 (3-0-1 / 2-1 / 1 / 0)
4]遊:大山 (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0)
5]中:板山 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
6]一:西田 (2-1-0 / 0-2 / 1 / 1)
7]指:小宮山 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指:小豆畑 (2-2-0 / 0-0 / 0 / 0)
8]捕:坂本 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃打捕:長坂 (1-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
9]三:森越 (2-2-1 / 0-2 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
【OBC高島】
小田 2回 31球 (1-1-1 / 0-0) 130
那珂 2回 26球 (2-2-1 / 1-1) 143
永井 2回 37球 (5-0-3 / 2-2) 126
川上 0.2回 13球 (1-1-0 / 0-0) 136
三宅 0.1回 10球 (0-0-1 / 1-1) 137
坂本 1回 21球 (2-0-1 / 0-0) 139
【阪神】
才木 3回 45球 (2-0-0 / 0-0) 149
浜地 3回 54球 (4-2-1 / 0-0) 145
藤谷 3回 48球 (3-2-1 / 0-0) 142
<試合経過>
経過は阪神主体で説明させていただきます。まずルーキートリオのピッチングから。先発・才木は1回2死から余に中前打、2回も2死から三浦の右前打を許しただけで、3回は三者凡退。3イニングを投げ2安打無四球でした。ちなみに3番の余(ユ)は台湾出身の“ピッチャー”。故障明けでまだキャッチボールを再開した段階ながら、バッティングには定評があります。過去に代打ホームランを放ったことも!
ついで浜地が。4回は余から三振を奪ったあと辻田に四球、白石にも2ボールとなったところで坂本がマウンドへ駆け寄ります。白石はファースト内野安打で、カバーに入った浜地が西田からの送球を捕れず(西田のエラー?公式記録ではありません)一、三塁となりますが濱西は投ゴロ併殺打。5回は先頭の三浦に左前打、村上の三振で二盗を決められるも0点。6回は佐竹にショート内野安打を許したあと余が遊ゴロ併殺打。辻田の中前打はあったものの無失点でした。
7回から藤谷と長坂のルーキーバッテリー。7回は途中出場の吉原に中前打、同じく途中出場・金安の犠打で1死二塁としますが、二飛と三振で無失点。8回は先頭の中野に中前打されたものの1死後に代打・嶋田を投ゴロ併殺打に切って取りました。9回も辻田にセカンド内野安打され、3イニングすべて先頭を出した藤谷。しかし代打・福岡から空振り三振を奪うなど2死とし、次にストレートの四球を与えながらも0点に抑え、完封リレーで終了です。
かわって阪神の攻撃。1回は小田の前に三者凡退で、2回は先頭の4番・大山が左翼線に二塁打を放ち、西田が四球を選ぶなど2死一、二塁としましたが得点なし。3回はOBC高島2人目の那珂から先頭の森越が左翼線二塁打、1死後に暴投で三塁へ進み、緒方は四球と盗塁で1死二、三塁となります。続く陽川の遊ゴロで森越が生還して1点先制。4回は西田の中前打と盗塁があったものの無得点でした。
5回からは永井に代わり、森越が四球を選んで植田の左前打で無死一、二塁とするも、緒方は二ゴロ併殺打。しかし陽川の四球で2死一、三塁となって、大山が左越えにタイムリー二塁打!2人を還します。板山も左前打で続きましたが、大山が本塁憤死。6回は1死から代打の小豆畑と長坂が連打、森越の四球で1死満塁と攻めたのですが、植田の三ゴロで二塁走者と三塁走者が併殺。追加点はありません。
7回は川上に対し緒方が中前打と、この日2つ目の盗塁を決めるも無得点。この回途中で登板した三宅から8回、先頭の西田が四球を選んで、OBCは6人目の坂本にスイッチ。小豆畑が右前打、長坂は四球で無死満塁となり、森越が左前にクリーンヒット!このタイムリーで4対0として阪神が勝ちました。
初めての “4番”・大山選手は
ルーキートリオの件は次の記事で書かせていただきますので、試合後の掛布監督の話から、きょうは大山選手についてのみご紹介しましょう。大山選手は“4番・ショート”でフル出場し、2点タイムリーを含む二塁打を2本放つ活躍です。
「初めてじゃないの?4番は。結果的に、あの二塁打で勝負を決めたから、内容はどうであれ貢献できた4番ですね。いい打席と、打ち取られる打席にギャップがある。打ち取られる打席を良くしていかないといけない」と掛布監督。
なお大山選手本人は「試合になったら、バッティングの形はあまり関係ないので意識していないですね。練習でやっていくしかないと思います。打つに越したことはないからよかった」と、二塁打2本のマルチでも淡々と話していました。
野原監督は5年ぶりの鳴尾浜
OBC高島の野原祐也監督には、翌日お話を聞きました。まず鳴尾浜は退団してから初めて訪れた鳴尾浜について。ルートインBCリーグの福井や石川とは鳴尾浜で練習試合をしたのですが、野原選手が復帰した富山とは北陸でしかやっていなかったんですね。なので約5年ぶりになります。変わったところは?「特にないと思います」。スコアボードに球速が出るようになったくらい?「ああ、そう。前はなかったですね(笑)」
みんなに歓待されたでしょう?「はい。皆さんに会えて嬉しかったです。全員にはできなかったのと、ゆっくり話せなかったんですけど、挨拶もできてよかった」。懐かしかったのはファンの方々も同じで、みんなユニホーム姿を見て喜んでおられましたよ。「いや~ほんと、ありがたいですよねえ!」。痩せたかな?という意見も多かったと言ったら「筋肉が落ちただけなんですよ」と苦笑い。
試合当日の朝は出発予定時刻より早く、みんな準備が整っていたとか。「ほんと、きょうを楽しみにしていたんだなあと感じた」と言います。試合を振り返り「ピッチャーは前の試合で投げた濱崎以外、全員出しました。みんなに経験してもらいたかったので。野手も全員出ていますね」と野原監督。
「練習も試合もしっかり見ていたと思います。ランナーは、出たら1球1球に全部スタートを切っていたし、守備位置や相手バッターを観察することなど、いろんなところを勉強できました。これから(都市対抗近畿2次予選で対戦する)企業チームは、球の速いピッチャーも出てくるし。先発した才木くん?速かったですよね。すごく勉強になった一日でした」
「いい経験をさせてもらいました」
試合後のクールダウンも終わり、バスのところで待ち構えていたのに誰も来ないんですよ。再度グラウンドを見たら、ベンチの中に並んで阪神のフリーバッティングを見学中!野原監督いわく「いつもは着替えて出発する時『準備できました』と言いに来るのに、それがなくて。そしたら、時間ギリギリまで見ていいですか?ってことでした」と。穴が開きそうなくらい見ていたので、投げる本田さんも緊張したのでは?
キャプテン・佐竹誠人選手は「みんないい経験をさせてもらいました。ピッチャー陣は、ちょっと甘く入ったり高かったら持っていかれたと言ってますね。バッターも145キロを超える球を打つ機会はあまりないので。そこは、早い段階でどう打ち崩すかが課題です。プロや企業のチームと比べて練習量が少ない中、しっかり頭に入れてやっていかないと、と思っています」と具体的。なお佐竹選手は滋賀高島ベースボール時代の2度を含めて、これが2度目の鳴尾浜でした。
OBC高島初出場の『都市対抗野球 近畿2次予選』ですが、5月11日の初戦(ニチダイ)は7対1で負けてしまい、敗者復活戦に回って第4代表を目指します。次は31日に午前10時から舞洲ベースボールスタジアムで、同じクラブチームのNSBベースボールクラブと対戦。大阪・和歌山1次予選で、穴田選手が所属する和歌山箕島球友会を破ったチームですね。
最後に、野原祐也監督が「みんな近畿2次という初めての経験をしていて、いろんな疲れがあると思います。精神的にも。しっかり仕事も野球も頑張って、31日に合わせてやっていきます!」と意気込む、次の試合です。皆さんもぜひ、舞洲スタジアムへ応援にお越しください。
※この日に登板した阪神タイガースの『トリオ・ザ・ルーキー』のコメントは、こちらです。<才木、浜地、藤谷のルーキートリオで1試合を完封。次は独り立ち?>