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6年連続勝率8割以上&史上最年少六冠なるか? 藤井聡太竜王(20)これから2022年度後半戦

松本博文将棋ライター

 竜王、王位、叡王、王将、棋聖。将棋界八大タイトルのうち、五冠を保持してなおハイアベレージを維持し続ける藤井聡太竜王(20)。日本シリーズ2回戦では羽生善治九段(51)に勝ちました。

 藤井竜王の今年度成績は16勝4敗(勝率0.800)となりました。

 藤井竜王はここまで、デビュー以来5年連続で勝率8割以上という、途方もない記録を達成しています。

 勝率8割以上を複数回達成した棋士は、藤井竜王のほかには羽生九段(3回)と中原誠16世名人(2回)のみ。藤井竜王の成績がいかにおそろしいものかがわかります。今年も8割以上ならば6年連続です。

 藤井竜王はタイトル戦において、六冠達成の期待がかかります。

 これまでに唯一六冠に達したのは羽生九段で、そのとき24歳でした。まだ20歳の藤井竜王は今年度、史上最年少六冠となる可能性も残されています。

 藤井竜王は今年度前半、叡王、棋聖、王位の三冠を防衛しました。

 10月からは広瀬章人八段を挑戦者に迎えての竜王戦七番勝負が始まります。

 まだ日程は発表されていませんが、棋王戦挑戦を目指すトーナメントでは、ベスト4進出をかけた豊島将之九段との対戦も大変注目されます。

 王将戦の挑戦者は現在進行中のリーグで決まります。

 名人挑戦を目指すA級順位戦は、3回戦まで終わりました。すでに全勝者が消え、大変な混戦模様です。

 藤井竜王は次戦4回戦で同じ2勝1敗の斎藤慎太郎八段と対戦します。斎藤八段は2年連続で名人に挑戦し、今期ももちろん有力な候補。この一戦の結果は、今後の挑戦権争いのゆくえを、大きく左右する可能性は高そうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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