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WBAスーパーライト級タイトルマッチでぶつかる両者の言葉

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 30日にラスベガス、Tモバイル・アリーナで雌雄を決するWBAスーパーライト級チャンピオンのローランド・“ローリー”・ロメロとイサック・クルスが先週、WEB会見に出席した。

 両者の言葉をお届けしよう。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 まずはチャンピオンのロメロ。

 「クルスが俺に向かって正面からアタックしてくるなら、来いよ。ヤツは小柄な選手を相手にすればパンチをヒットできるが、俺は大きい。そして、この階級の誰よりもパンチがある。いつだってノックアウトを狙っているし、相手を屠ろうと考えている。敵に触れるだけではなく、沈めたいんだ。

 クルスは、それほど特筆した選手じゃない。俺はいつだってヤツのようなレベルの男たちと戦ってきた。俺にしてみれば、これまでのキャリアで、仮想クルスとしてスパーリングパートナーを見つけるのは簡単な作業だった。でも、彼は俺のようなタイプを探すのに苦労しただろうな。このスタイルは、俺の個性を映し出しており、誰にも真似できない。

写真:REX/アフロ

 3月30日にクルスっていう卑怯者が、何者なのか分かるだろう。彼は俺に潰され、黙ることになる。ヤツをノックアウトしてやるぜ。クルスは前に出てくるだろう、そして俺が倒す。ヤツはあらゆる種のパンチを喰うので、何が当たってもおかしくない。

 プロになる前、俺はイスマエル・サラスの下でトレーニングしていた。今回、彼とトレーニングキャンプを行って基本に立ち返った。本来の自分に戻ることができて良かったよ。サラスは多くのチャンピオンを抱えているが、彼と一緒に戦うのは、とても快適だ。

 メキシコのファンがヤツに声援を送ることは分かっている。火花が散る素晴らしい戦いになることは間違いないよ」

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 クルスも言った。

 「この素晴らしい機会を得られて、とても興奮している。世界チャンピオンになるために何も無駄にしたくないので、トレーニングキャンプは集中してこなした。

 まずはローリーのペラペラとうるさい口を黙らせる。そして、彼からベルトを奪い取る。私はスーパーライト級でトップレベルにあるファイター全員を追う。

 誰かを過小評価したり無視したりしない。ローリーが成功したのには理由があるんだろう。私は彼の口をパンチで封じる準備をしているところだ。彼が3月30日に、あの口調のまま戦ってくれることを願っている。ローリーは私ほど攻撃的な選手や、私のようにプレッシャーをかけるタイプと戦ったことがない。

写真:REX/アフロ

 私たちはライト級で世界タイトルに再挑戦する機会を待っていたが、140パウンドでそれを得られて嬉しい。それぞれウエイトを上げ、3月30日に勝つための戦略に磨きをかけて来た。この戦いは、私にとって全てだ。勝つことが、ボクシング界での扉を開く鍵となる。

 スパーリングで彼のような選手を見付けるのに何の苦労もなかった。争いを避ける卑怯者なんてどこにだっているんだ」

 ジャーボンテイ・デービスに6回KO負けを喰らったチャンピオンと、同じくデービスに判定負けしながらも評価を上げた挑戦者。どんなファイトとなるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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