「日本一の石段制覇」に「競輪トレ」も――サブマリン山中浩史が、地元熊本でH山田、DB平田と自主トレ
3333段「日本一の石段」を制覇
「ヤバいですよ。まだ筋肉痛ですよ」
8日、熊本市内の公園に現れた東京ヤクルトスワローズの山中浩史をはじめ、福岡ソフトバンクホークスの山田大樹、横浜DeNAベイスターズの平田真吾は練習前から少し顔をしかめてみせた。
6日に熊本県下益城郡美里町にある「日本一の石段」を上るトレーニングを行ってきたという。その長さ3333段。かつて斉藤和巳元投手(ホークス)や荒木雅博選手(中日)らも自主トレを行ったという有名な場所だ。
「1000位まではハイペースでしたけど、その後はしんどかったですね(苦笑)」(山中)
ただ、もちろん最後まで上りきり、奥にある釈迦院まで行ってきたという。
練習にヨガも導入
山中は熊本出身。高校、大学、社会人までずっと熊本でプレーし、12年ドラフトで指名(6位)されて念願のプロ入り。九州のホークスに入団を果たした。しかし、入団からわずか1年半でトレードとなり、スワローズに移籍した。
「シティ・ボーイになりましたよ(笑)」などと冗談を飛ばすと、茨城出身の山田が九州の言葉でツッコミを入れる。
和やかな雰囲気だ。
しかし、8日の練習メニューはなかなかハードだった。約3時間半、ほぼ休みなし。ほとんどが下半身や体幹部の強化メニューだ。途中にはヨガも取り入れた。一見すれば地味だが、じつはかなりきつい。バリバリのプロ野球選手たちが苦悶の表情を浮かべるほどだった。
昨年は「金やん」以来の大快挙
昨年の山中は6月に1軍昇格を果たし、6月12日の西武戦で先発すると、同じ下手投げの牧田和久投手に投げ勝ってうれしいプロ初勝利をマーク。そのままの勢いで勝ち星を重ね、あれよあれよという間にシーズン初戦から6戦6勝。球団としては国鉄スワローズ時代の1958年に金田正一投手(あの400勝投手!!)が開幕9戦9勝を記録して以来の大快挙だった。
「今季も先発にはこだわりたい」と話す山中。具体的な数字を挙げなかったが、「まずは怪我なく1軍で投げること。そして連覇に貢献したいですね。このオフに熊本に帰って、周りの反応がすごくて本当に嬉しかった。家族を連れてハワイV旅行にも行きましたし。今年もまた、という気持ちは強いです」
10日は競輪トレに挑戦
今後はボールを使ったトレーニングを増やすのは勿論、下半身強化にも重点を置いており、10日には競輪トレにチャレンジする予定だ。
「高校の同級生に競輪選手(松岡孝高選手=当時野球部)がいることがきっかけで」
ヤクルトは守護神のバーネットが退団し、優勝の原動力となったリリーフ陣に不安がある。「僕が少しでも長いイニングを投げられるよう、まずは今の時期にしっかり準備をしたい」と意気込んだ。
ホークス山田 2年間未勝利も「あと10年やるために!」
ホークス山田大樹は「今年が10年目。体力面には手応えがある。あと10年出来るよう、それに見合う技術を身につけないと」と誓いを立てた。
11年に7勝、12年には規定投球回数をクリアして8勝を挙げたが、ここ2年は未勝利。昨年は支配下登録後初めて1軍登板すら果たせなかった。「今季、まずは1勝しないと…」と話すが、「それで終わりじゃない。競争も厳しく具体的な目標は立てづらいけど、やらないと」と危機感を募らせた。
昨年まではチームの先輩である帆足和幸投手と合同トレを行っていたが、帆足が昨年限りで引退したため山中に参加を直訴した。8日のトレーニングでは「コレ効く! こういうのを求めていたんです」と歯を食いしばり、苦しい表情を見せつつも練習内容に大きな手応えをのぞかせた。
「1月中に投げる方もしっかりやって、2月1日にはブルペンに入ってアピールしたい」と意気込んだ。
ベイ平田「今季は1軍で50試合!」
ベイスターズの平田真吾は昨年28試合に登板。ファームでも22試合に投げており、年間で50試合のマウンドを経験した。今季もリリーフでの起用が濃厚な右腕。今季もベイスターズはエレラ、山崎康晃が8回と9回のマウンドを任されることが濃厚。「シーズン最初はその2人で行くと思う。勝利の方程式に入れるよう、今年は1軍で50試合に投げるのが目標です。昨年は熊本自主トレ後に虫垂炎になってしまい、キャンプはB組スタートでした。今年はそんなことのないように」と気を引き締めていた。