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「韓国版ざわちん」ともされる美しすぎる“メイクの達人“PONY”とは誰?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
写真提供=PONY

韓国のスポーツ・アスリートやアイドル・芸能人たちが、日本でも多く知られるようになったこの頃だ。

スポーツ・アスリートたちはその活躍によって、アイドルや芸能人たちは楽曲や作品(ドラマ、映画など)がその名を知らしめるキッカケになっているが、最近はSNSやYouTubeの普及によってさまざまな職種の韓国人が日本でもその名が知られるようになった。

その代表格のひとりが、“PONY”だろう。

今やYouTubeだけでなく、Instagramでも影響力を持つ韓国インフルエンサーのひとり。そのメイク術は日本でも有名で、「秘密のオルチャン・メイク」シリーズという本も出版している。“韓国版ざわちん”とも称されているほどだ。

韓国でメイクアップ・アーティストとして活躍する彼女がYouTubeで展開する『PONY Syndrome』のチャンネル登録者数は、2018年6月現在の時点で402万人超え。Instagramのフォロワー数も520万人以上。「韓国女性芸能人フォロワーTOP10」にも迫る勢いなのである。

はたして“PONY”とはどんな人物なのか。その話を聞くべく、インタビューを申し込んだ。

――まったくの門外漢にもかかわらず、インタビューに応じてくれてありがとうございます。まず最初にお聞きしたいのは「PONY」という名前の由来について、です。なぜ、PONYなのですか?

「私、ものすごく活発な性格で元気なイメージがあるからか、高校の頃から友人たちに “アギ・チョランマル(子馬)”と呼ばれていたんです。そんな中、高校3年生の時に自分のアイデンティティを確立していく過程で、自分をキャラクター化したいなと思い、“まずはニックネームだな”、と。そこで“チョランマル”を英語にすれば何だろう、と探してみたら“PONY”でした。短いし覚えやすいからすぐに気に入ってしまい、それからPONYというニックネームを本格的に使いはじめました」

――ネット上での活動をはじめたのも、その頃ですか?

「ええ。当時、韓国で流行していたCYWORLD(韓国版mixi)に、趣味としてメイク法を掲載していたのが、PONYとしての最初の一歩でした。美術やメイクが好きな母の影響で、私も幼い頃からメイクにすごく興味があったんです。

やがてブログが流行りだしたのでブログのほうに場所を移していろいろと掲載していたのですが、そんな2010年のある日、出版社から連絡をもらいました。“メイク本を出してみないか”と。

当時は韓国にメイク本なんて全然なかったから、すごくギャンブルに近い話だったんですよね。

それでも自分はまだまだ若かったし、失敗しても失うものは何もないなと思って本を出したら、大ヒットしてしまって(笑)。“私の道はこれだ!”と気づいて、それまで専攻していたデザインの勉強を潔く辞めて、メイクアップ・アーティストの道に進むことになりました」

――17歳でファッションサイトを起業した“オルチャンCEO”キム・スギョンさんも、早くから自分の進むべき道を探し当てて成功したケースですが、PONYさんもそうだったのですね。

「幸いにして私のメイク・スキルや美容法などを好んでくださる方々も多く、多くの女性たちにそのノウハウをお伝えして活用してもらえればという気持ちが、もっとも強かったです。メイクや美容法は人それぞれですが、何かヒントになればと思って始めただけでした」

――いずれにしても、職業としてのメイクに目覚めたわけですが、PONYさんがスゴいと思ったのは書籍が日本でも出版されただけではなく、YouTubeを使ってそのノウハウを発信する時期も早かったということです。先見の明があったというか……。YouTubeを始めるキッカケは何かあったのですか?

「メイク本と同じく韓国にユーチューバーという存在がほとんどいなかった2013年頃、とある会社から、“一緒にYouTubeをやろう”というオファーを受けたことがキッカケでした。

それまで写真を撮ったり文章を書いたりすることには慣れていましたけど、まったく馴染みもなく知識もない動画制作は無理だと思って、最初は断ったんです。

それでも何度も声をかけてくださって、思い切って挑戦することにしました。

最初の頃はとても時間がかかったし、試行錯誤も多かったのですが、ブログとは違って映像で見せることができるので言葉の壁も簡単に越えられて、世界各国の人々から反応があって魅力を感じました。

これなら自分の才能を思い切り発揮できる、もっとたくさんの人々に見てもらえるという思いが強くなって……。それで2015年からは独立したチャンネルを運営するようになったんです。今の『PONY Syndrome』が、まさにそれです」

SNSから始め、書籍などを発表し、今は解散してしまったK-POPガールズグループ2NE1のメンバーだったCLのメイクも担当するなど、着実にその活動フィールドを広げていったPONY。

韓国のガールズ・アイドルたちは、アメリカの映画情報サイト『TC Candler』が毎年発表する「世界で最も美しい顔100人」の常連でもあるが、そのメイク・タッチはPONYを参考にしているだろうと思われるものも多いという。

今ではYouTubeでの発信もあって、世界中に彼女のファンたちがいる。ただ、だからこそ気になるのはPONYの取り組みだ。

動画コンテンツにどのような工夫を加えて、チャンネル登録者数400万人を獲得するまでに至ったのだろうか。そのエピソードは次回に紹介しよう。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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