「出る杭」は怖がらずにしっかり立てる。代表監督に求められる資質とは
登録メンバー35人の顔ぶれより、最終メンバー23人の顔ぶれより、僕が知りたいのは西野新監督のサッカーだ。サッカーの中身に大きな影響を与えるのは、ある特定の個人のプレーより、監督の唱えるサッカーである。本田圭佑、香川真司がメンバーに入る、入らないより、これは大きな問題だ。
だが、西野監督はそのあたりを積極的に語らない。就任記者会見でも、切れの悪い答弁に終始。その姿勢について、そこがキモだとの認識に欠けるのか、疑問を積極的に投げかけようとする報道も少なかった。
W杯本大会に臨む西野ジャパンのサッカーそのものの概略が判明するのは、30日に行われるガーナ戦だ。国内で行われる最初で最後の一戦を観戦し終えるまで、方向性は明確にならない。暢気というべきだろう。そこに、W杯本番まで残り2ヶ月という段で監督を解任し、新監督を誕生させたという切迫したムードを感じることはできない。
「趣味趣向が偏ってしまうところがあるので……。有能なスタッフがたくさんいるので、いろいろなアイデアを持って……。あまり偏った理想、志向ではなく、たくさんの選択肢があるという感覚で見ていきたい」
西野新監督は就任記者会見でそう述べた。「偏る」ことを恐れているというか、「偏っている」と指摘されることを恐れている様子だ。偏るとすれば、攻撃的サッカーになるのだろうが、それは、以下の台詞からうかがうことができる。
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