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ヤンキースが「トレードで手放した投手たち」が好投。モンゴメリーとシアーズに続いてこの投手も…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヘイデン・ウェズネスキー(シカゴ・カブス)Sep 6, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 トレード・デッドラインの8月2日に、ジョーダン・モンゴメリーは、ニューヨーク・ヤンキースからセントルイス・カーディナルスへ移籍した。そこから、8月6日に5イニングを投げ、ヤンキースを0点に封じたのを皮切りに、先発7登板で防御率1.45を記録している。8月27日以外の6登板は、1失点以下だ。移籍前の防御率も3.69と悪くなかったが、1失点以下は5登板だった。

 モンゴメリーの前日に、ヤンキースからオークランド・アスレティックスへ移ったJP・シアーズも、AAAの先発1登板を経てメジャーリーグへ昇格し、先発5登板で防御率2.63を記録している。

 一方、シアーズと同じ日に、ヤンキースからシカゴ・カブスへ移籍したヘイデン・ウェズネスキーは、すぐに好投したわけではない。まず、AAAの5登板(先発4、救援1)で防御率5.66を記録した。

 もっとも、最初の登板を除けば、4登板の防御率は2.37となる。そして、9月6日のメジャーリーグ初登板は、家族や友人が見守るなか、素晴らしい投球を披露した。2点ビハインドの5回表からマウンドに上がり――3ヵ月ぶりに復帰したウェイド・マイリーが早めに降板した――5イニングを投げて無失点。被安打と与四球は2と1にとどめ、8三振を奪った。カブスは逆転勝ちを収め、ウェズネスキーは白星を手にした。

 カブスのゲーム・ノーツによると、少なくとも1901年以降、リリーバーとしてメジャーデビューして5イニング以上を投げ、無失点、被安打2以下、奪三振8以上は、ウェズネスキーが初だという。

 なお、モンゴメリーと交換にヤンキースが獲得したハリソン・ベイダーは、移籍後、まだ試合に出場していない。故障していることはトレードの時点でわかっていたが、復帰は今月中旬になりそうだ。シアーズら4人と入れ替わりにヤンキースへ移った2人のうち、ルー・トリビーノは救援15登板で防御率0.68だが、フランキー・モンタスは先発6登板で防御率5.87。移籍前のモンタスは、防御率3.18だった。ウェズネスキーと引き換えにヤンキースが得たスコット・エフロスは、救援8登板で防御率3.24を記録した後、右肩を痛め、先月下旬から故障者リストに入っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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