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世界戦を控えた指名挑戦者が語る「パウンド・フォー・パウンドKING、カネロの魅力」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 明日行われるWBA/WBC/WBOスーパーミドル級チャンピオン、サウル・”カネロ”・アルバレスvs.IBF同級王者、ケイラブ・プラント戦。世界中のボクシングファンが胸を躍らせる4団体統一戦である。

 日本時間の本日午前5時より、計量が行われる。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 同ファイトを「物凄く注目しています」と語るのは、自身も12月14日に2度目の世界挑戦を控えるWBOミニマム級1位、谷口将隆だ。

撮影:著者
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 「21戦全勝12KOのプラントも強いチャンピオンですが、やはりカネロが有利でしょう。

 実力のある選手に対し、カネロは引き出しの多さ、そしてレベルの高さを示すと思います。個人的にはカネロの素晴らしさを再確認するファイトになると予想します」

撮影:著者
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 「カネロといえば攻撃が評価されがちですが、僕は毎回、あのディフェンス力にも唸らされます。相手のパンチを足で捌き、ブロックもできる。接近戦での打ち合いになったらウェービングやダッキングで躱しながら、次の瞬間に即、自分のパンチを放てる。

 ボディバランスの良さは惚れ惚れしますね。どんな動きをしても重心がブレない。相手が打ってきて、それをよけている最中も、常に攻撃できる体勢が取れている。身に付けている一つ一つの動きが高度なんです」

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 「相手の懐に入って左ボディアッパーを打つ時でも、肩に力が入っていなくてジャブのように自然に打てていますよね。

 カネロの試合からは学ぶことが実に多くあります。僕もWBOミニマム級チャンピオン、ウィルフレド・メンデス戦に向け、参考になるものは一つでも多く取り入れたいと思っています。ですから、今回の統一スーパーミドル級タイトルマッチはいつも以上に期待しています。目にするのが本当に楽しみです」

 日本時間の7日、カネロはどんなファイトを見せるか? そして谷口は、この一戦から何を学ぶのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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