Yahoo!ニュース

UFCスターがボクシングで対決

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/Fanmio

 今週末、カリフォルニア州アナハイムのホンダセンターで、UFCのスター選手であるホルヘ・マスヴィダルとネイト・ディアスがボクシングルールで対戦する。両者はUFCの舞台で2019年11月2日に対戦している。この時はマスヴィダルが3回でTKO勝ちを収め、UFCの初代BMF王者となった。

Esther Lin/Fanmio
Esther Lin/Fanmio

 UFCのトップファイターであっても、ボクシングはビギナーである。なぜ、彼らは他競技で戦うのか。しかも、元世界チャンピオンが出場する興行で、メインイベントとなった。話題先行型のイベントは、中身が伴うのか。

 最終記者会見の席でマスヴィダルは言った。

 「試合当日の自分の感情は重要ではない。肝心なのは、この半年間のトレーニングキャンプだ。俺にとって、過去は問題じゃない。ただ、ヤツをノックアウトしに来た。対戦相手のことなど何も考えない。自分自身とトレーニング、そしてリング上でやらなければならないことに集中している。積み重ねてきたことを爆発させる準備万端だ。

 自分が格闘技に持ち込んだ唯一のものとは、バイオレンスとちょっとしたテクニックだ。そうやって勝利を収めてきた。

Esther Lin/Fanmio
Esther Lin/Fanmio

 すべての試合で、同じレベルの注意力と敬意を胸に取り組んでいる。戦っている相手にも両手がある。個人的には、過去にも語ったようにヤツが好きじゃない。だから、今回のトレーニングキャンプはボクシングから殺し合いが目的となった。それが俺のやりたいことだ」

Esther Lin/Fanmio
Esther Lin/Fanmio

 UFCでの対戦で敗者となったディアスも話した。

 「私にとって熱くなるものは何もありません。自分の仕事をし、目的を成すためにここにいます。勝利のために一生懸命トレーニングしました。必要な策を行使して彼を倒すためにアナハイムにきました。それだけです。

Esther Lin/Fanmio
Esther Lin/Fanmio

 時間が経つに連れ、自分が以前より鋭くなっていることを感じます。私は常に努力し、ファイティングスタイルを改善します。いつもやっていることを、リングで披露しますよ。同時に、ファイトを楽しみ、ビジネスとして戦います」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 UFCファイターがボクシングで再戦ーーーー興行主がそんな狙いで企画したイベントだろうが、ニーズはどの程度あるのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事