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ローマ復帰の伊代表FWがダッシュで車泥棒の身柄確保、逮捕に協力 「タイトなマークもいける」

中村大晃カルチョ・ライター
2017年10月31日、CLチェルシー戦でのエル・シャーラウィ(写真:ロイター/アフロ)

本人の望むかたちでの話題ではない。だが、お手柄なのも確かだ。

冬のマーケットでローマに復帰したステファン・エル・シャーラウィが2月12日、愛車ポルシェカイエンを盗もうとした泥棒を捕まえた。イタリアの各メディアが報じている。

報道によると、エル・シャーラウィは、EUR地区で車のリアウィンドウを壊して盗もうとする輩を目撃。ダッシュして追いかけ、捕まえた。目撃した平服の警官も駆けつけ、犯人は御用となった。

なお、ローマでは6月にブライアン・クリスタンテも乗車中に強盗未遂に遭っており、犯人のヘルメットを殴って犯行を防ぎ、逮捕に協力している。

2019年4月20日、セリエAインテル戦でのエル・シャーラウィとクリスタンテ
2019年4月20日、セリエAインテル戦でのエル・シャーラウィとクリスタンテ写真:ロイター/アフロ

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は「スーパー・エル・シャーラウィ」と称賛。『スポーツ・メディアセット』は「ピッチでの役割は相手から逃げることだが、タイトなマークもうまくやれるのは明白」と伝えている。

エル・シャーラウィはこの冬、1年半を過ごした上海申花を退団し、2016年から2年半にわたってプレーしたローマに復帰したばかりだ。

ローマ専門サイト『asromalive.it』は、「ピッチではまだだが、ピッチ外で主役に」と報道。『コッリエレ・デッラ・セーラ』は「再びローマのユニフォームを着るために首都に戻ったばかりで、もう主役だ。ただ、今回は路上での出来事」と伝えた。

9月から代表戦を除いて実戦から遠ざかっているエル・シャーラウィは、まだローマで試合のピッチに立っていない。それだけに、『テンポ』は「フィジカルコンディションに関するフォンセカの疑問はすぐに解消されるかもしれない」と、パウロ・フォンセカ監督にとって朗報との見方も示している。

実際、試合でエル・シャーラウィの姿を見る日は近づいているようだ。『スカイ・スポーツ』は、すでにチーム練習に加わっているエル・シャーラウィが、14日のウディネーゼ戦で起用される可能性にも触れた。

1月のローマはダービーで完敗し、コッパ・イタリアでは格下スペツィアに敗退させられ、「6人交代」の失態も演じた。この一戦を機にエースで主将のエディン・ジェコとフォンセカが衝突し、前者はキャプテンマークをはく奪されている。

ネガティブな話題ばかりが続いたローマだが、その後は2連勝を飾り、ジェコとフォンセカは話し合いの末に(当面は)和解。エースは戦列復帰を認められ、前節ユヴェントス戦で途中出場した。

ただ、そのユヴェントス戦は0-2で敗れ、ローマは4位に転落している。宿敵ラツィオには勝ち点で並ばれた。ウディネーゼ戦は、勝利必須の大事な試合だ。

ローマで139試合出場、40得点を記録しているエル・シャーラウィは、再びサポーターを熱狂させることができるだろうか。次は、ピッチでの活躍で主役になることが期待される。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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