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2023年マイルCS 4連勝中のエルトンバローズに注目!前日オッズ、調教、参考VTRまとめ

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2023年マイルチャンピオンシップの前日単勝オッズのシェア率割合(筆者作成)

 19日、京都競馬場でマイルチャンピオンシップ(GI)が行われる。

 今年は安田記念を制したソングラインが疲れのため出走せず、昨年のこのレースを制したセリフォスは予定していた前哨戦の富士Sへの出走は夏負けの影響で調整がつかず回避。人気を集めているシュネルマイスターはGI勝ちは昨年のNHKマイルから遠ざかっている、ということもあり、なんとも混沌としている。

 JRAが18日午後に発表した前日単勝オッズを見てみよう。

 単勝オッズ1桁台は5頭。1番人気はシュネルマイスターで2.4倍、続く2番人気は昨年の覇者・セリフォスで4.2倍、3番人気は9月の京成杯AHを斤量59キロのトップハンデを克服して制したソウルラッシュで6.4倍、4番人気は未勝利戦から毎日王冠まで4連勝中のエルトンバローズで7.0倍、5番人気は鞍上に短期免許で来日中のライアン・ムーア騎手を迎えるナミュールで9.5倍となっている。

 続く単勝オッズ2桁台は6番人気のレッドモンレーヴの23.6倍だが、上位5頭からは大きく離れている。ダノンザキッド、ジャスティンカフェ、ソーヴァリアント、エエヤンまでが単勝50倍以下。11番人気のイルーシヴパンサーは70.9倍、12番人気のバスラットレオンは99.9倍。以下、マテンロウオリオン、セルバーグ、ダノンスコーピオン、ビーアストニッシドは前日の段階では単勝万馬券となっている。

2023年マイルCS、JRA発表の前日単勝オッズ
2023年マイルCS、JRA発表の前日単勝オッズ

乗り替わらずに4連勝のエルトンバローズに注目

 筆者が注目しているのは目下4連勝のエルトンバローズ。未勝利から重賞まで土つかずの4連勝で、未勝利を勝ち上がるまで5戦を要したが、あの頃の勝てそうで勝てなかったのが嘘のような勝負強さだ。唯一、連対できなかった中京戦は左回りだったが、今回の舞台である京都は右回り。連勝中にコンビを組み続けている西村淳也騎手とのコンビが継続される点も注目している。

 ソウルラッシュはジョアン・モレイラ騎手へ、ナミュールはライアン・ムーア騎手にそれぞれ乗り替わっている。短期免許で来日中のスペシャリストたちへのチェンジがカンフル剤になるか、それともJRA競馬学校卒業生が乗り続ける連勝馬が連勝を延ばすのか、はたまた短期免許のレーン騎手からデビュー戦で手綱をとった川田騎手に戻るセリフォス、安定感の強いルメール騎手が引き続き騎乗するシュネルマイスターが2つめのGI勝ちをおさめるか…。

 本来は比較的、かための決着で終わりやすいマイルCSだが、今年はシュネルマイスターが押し出される格好で1番人気に推されているように感じられる。そういえば、昨年の安田記念は最終的に押し出されるようにイルーシヴパンサーがシュネルマイスターから変わって1番人気になっていた。ちなみにこのレースを勝ったのは4番人気のソングラインで、今回と同じように前評判は混沌していた。

 今年のマイルCSで混沌とした中でもシュネルマイスターの人気が抜けているのは、鞍上のクリストフ・ルメール騎手への安心感が強いのではないか、と察する。

ノーザンファーム産だがドイツ生まれのシュネルマイスター

 ちなみに先週のエリザベス女王杯まで北海道安平町のノーザンファームは生産牧場としてJRAGI実施機会10連勝中でこれは最長連勝記録だ。しかし、シュネルマイスターもノーザンファーム産ではあるがドイツのノーザンファーム産なのだ。したがって、仮にシュネルマイスターが勝っても、この連勝記録は途切れるとみられる。

 なお、このマイルCSの出走メンバーで北海道安平町のノーザンファーム産なのはダノンザキッド、レッドモンレーヴ、ナミュールといった面々だ。この3頭のうちの誰かが連勝機会を繋げたなら記録更新だし、来週のジャパンカップでイクイノックスやリバティアイランドらがさらに記録を伸ばす可能性もある。

 改めて、ノーザンファーム生産馬の安定感に恐れ入るばかりだ。

■2023年 マイルCS 調教動画 / JRA公式チャンネル

※各馬のリンクから直接その馬の調教動画に飛べます

ソウルラッシュ(牡5、J・モレイラ)

ビーアストニッシド(牡4、和田竜二)

ダノンスコーピオン(牡4、団野大成)

エエヤン(牡3、M・デムーロ)

ジャスティンカフェ(牡5、坂井瑠星)

ダノンザキッド(牡5、北村友一)

エルトンバローズ(牡3、西村淳也)

ソーヴァリアント(牡5、池添謙一)

シュネルマイスター(牡5、C・ルメール)

マテンロウオリオン(牡4、横山典弘)

セリフォス(牡4、川田将雅)

レッドモンレーヴ(牡4、横山和生)

セルバーグ(牡4、松山弘平)

バスラットレオン(牡5、鮫島克駿)

イルーシヴパンサー(牡5、岩田望来)

ナミュール(牝4、R・ムーア)

■2023年 マイルCS出走馬参考レース / JRA公式チャンネル

※各レースのリンクから直接そのレース動画に飛べます

2023年 安田記念 (2着セリフォス、3着シュネルマイスター、6着レッドモンレーヴ、9着ソウルラッシュ、10着イルーシヴパンサー、11着マイテンロウオリオン、13着ダノンスコーピオン、16着ナミュール)

2023年 毎日王冠 (1着エルトンバローズ、3着シュネルマイスター、7着ジャスティンカフェ、8着エエヤン)

2023年 マイラーズC (1着シュネルマイスター、3着ソウルラッシュ、5着マテンロウオリオン、6着ビーアストニッシド)

2023年 富士S (1着ナミュール、2着レッドモンレーヴ、3着ソーヴァリアント、4着イルーシヴパンサー、5着マテンロウオリオン)

2023年 京成杯AH (1着ソウルラッシュ)

2023年 エプソムC (1着ジャスティンカフェ)

2022年 マイルCS (1着セリフォス、2着ダノンザキッド、4着ソウルラッシュ、5着シュネルマイスター、6着ジャスティンカフェ、10着マテンロウオリオン、11着ダノンスコーピオン)

2023年マイルCS枠順(筆者作成)
2023年マイルCS枠順(筆者作成)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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