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現役アイドルも参戦しテレビ生中継……盛り上がる韓国の美ボディ・ブーム

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
マッスルマニアの様子(写真:SPOMAX/MUSCLE MANIA KOREA)

今日から日本では3連休。10月8日は“体育の日”となっており、連休中にスポーツを楽しむ方々も多いことだろうが、韓国にも“体育の日”はある。祝日ではないが、毎年10月15日が“体育の日”と定められており、日本同様に運動会があったり各種スポーツに汗を流す。

では、韓国ではどれほどの人々がスポーツを楽しんでいるのだろうか。

今年1月に韓国の文化観光部(日本の文部科学省に相当)が発表した『2017年国民生活体育・参与実態調査』によると、韓国では国民の59.2%が、週に1度、1回30分以上の割合で何らかのスポーツをして汗を流しているという。

日本のスポーツ庁も同じようなデータを発表しているが、日本は2016年11月の世論調査で成人の週1回以上のスポーツ実施率は42.5%だった。

韓国の調査は満10歳以上の9000人を対象に世帯訪問を通じた面接調査なので日本とは単純比較はできないが、韓国のスポーツ実施率が高いことがわかるだろう。

しかも、「もっとも行っているスポーツは?」という問いへの回答が興味深い。1位ウォーキング(31.8%)、2位登山(17%)、3位がボディビル(14.7%)だったのだ。

(参考記事:韓国のスポーツ参加率を変えてしまったグラマラスな“マッスル美女”たち)

ボディビルといってもムキムキに体を鍛えるわけではなく、美ボディ作りの意味合いも強いそうだが、そんな韓国の美ボディ・ブームを牽引する『マッスルマニア・コリアチャンピオンシップ』が本日10月6日に行われる。

これまでも何度か紹介してきた通り、『マッスルマニア』は韓国でもっとも有名なボディビル&フィットネス大会だ。

もともとは1991年にアメリカで行なわれ、イギリス、ブラジルはもちろん、かつては日本でも行われた。そんな各地の入賞者たちが集まる世界大会も行なれており、韓国では“奇跡のDカップ女神ボディ”ユ・スンオクが2011年に東洋人としては初となるトップ5入賞を果たしたことで広く知れるようになった。

以降、韓国では『マッスルマニア』を通じて数多くの有名人が誕生している。 “脱アジア級ボディ”と称されるレイヤンなど、健康美でありながらどこかセクシーな“マッスル美女”たちが次から次へと登場。

近年は大胆な開脚始球式の姿が写真週刊誌『フライデー』で紹介されたチェ・ソルファや、今年初めに『週刊プレイボーイ』でのグラビアを飾り、日本テレビ系列の『人生が変わる1分間の深イイ話』でも登場したイ・ヨンファなど、日本でも取り上げられる“マッスル美女”たちも多い。今や各種メディアが、その年に知名度を高めた“マッスル・クイーン TOP10”を厳選して紹介するほどなのである。

(参考記事:韓国メディア選定!! 美しすぎる「マッスル・クイーンTOP10」は誰だ!?)

特筆すべきは、その『マッスルマニア』が今大会からテレビ中継されるということだろう。今日行われる『マッスルマニア・コリアチャンピオンシップ』が、韓国のケーブルテレビ局『TV朝鮮』で生中継されるというのだ。

これまでもインターネット放送などで中継されてきたが、ケーブルテレビ局とはいえ『TV朝鮮』は総合編成チャンネル(報道、芸能、ドラマ、スポーツなどを扱い、地上波チャンネルと変わらぬテレビ局のようなもの)だ。その『TV朝鮮』で生中継されるというのだから、韓国のおける『マッスルマニア』のポジションを窺い知ることができるだろう。

「ボディビル大会がテレビで生放送されるということは、フィットネスという分野が韓国で定着しつつある証拠とも言えます」と語るのは、韓国のボディビル&フィットネス専門誌『MAXQ』のチェ・テウォン編集局長だ。

実際、『マッスルマニア』の参加者たちの顔ぶれもレパートリーに富んでいる。過去の大会ではフィットネストレーナーやヨガ講師、ダンサーなどが主な参加者だったが、近年は弁護士、カジノディーラー、インテリアデザイナー、バイオリニスト、薬剤師、美容師、看護師、保育士などさまざまだ。

今年4月に行われた『マッスルマニア・オリエンタルチャンピオンシップ』で“大会の華にして最大の目玉”とされるミズ・ビキニ部門の優勝者は、中学校で音楽講師も務めていたキム・クネだった。彼女は『マッスルマニア』優勝を機に、現在はモデルとしても活動している。

(参考記事:中学の音楽講師がシンデレラに!!「国民的フィットネス大会」優勝者キム・クネとは?)

それだけに今回の『マッスルマニア・コリアチャンピオンシップ』の参加者たちの顔ぶれも気になるところだが、チェ・テウォン編集局長が提供してくれた参加者リストを見ると今回も多種多様な人々が参加している。

男性出場者には元韓国代表の陸上選手、アイドルグループ出身のタレント、消防士にスタートアップ企業CEOがいるし、キャビンアテンダント、ミュージカル女優、コメディエンヌなどが名を連ねている女性出場者の中には、アイドル発掘番組『プロデュース101』にも出演し、ガールズグループ“1NB”で芸能界デビューもしたキム・ジャヨンの名もある。

以前インタビューを紹介した“美ボディ自慢女優”リュ・セビのように『マッスルマニア』出場を話題作りに知名度を上げたいという下心もあるのだろうが、大会参加者を突き動かす原動力となっているのは、日々のトレーニングの成果を披露したいという一心だろう。

自分と向き合いながら、その体と心を鍛えている参加者にとって、『マッスルマニア』は家族や友人、もっと大袈裟に言えば世の中に“努力の成果をお披露目する晴れ舞台”でもあるわけだ。

いずれにしても、美ボディ・コンテストがテレビで生中継されるほどになった韓国。『マッスルマニア』の盛り上がりを見る限り、そのフィットネス熱はまだまだ当分の間衰えそうにない。

日本でも体育の日を盛り上げる仕掛けとして美ボディ大会を開いてみるのはどうだろう。最近は日本でも美ボディ・コンテストが増えていると聞くので、一考の余地はあるかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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