Yahoo!ニュース

サバイバルマッチで勝利を挙げ、故郷のファンに喜びを届けた31歳

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 ミネソタ州ミネアポリス出身の31歳、ヴェショーン・オーエンスが、ウズベキスタン人ファイター、クドラティロ・アブドゥカホロフを3-0(99-91、98-92、97-93)の判定で下し、自身14度目の勝利を飾った。これで戦績は14勝(12KO)3敗。

 デビューから9戦全勝オールノックアウトを飾っていた頃のオーエンスは、文字通り期待の新星だった。

 しかし、2018年4月13日に現WBC暫定スーパーウエルター級王者のセバスチャン・フンドラとの全勝対決でKO負けして以来、かつての勢いを失っている。再起戦でも判定負けし、2021年12月18日のファイトでも3つ目の黒星と、限界説が囁かれていた。

Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 29歳のアブドゥカホロフは、2019年3月30日の小原佳太戦で米国初見参。3-0の判定で小原に勝ち、建前上はIBFウェルター級の挑戦権を得た。とはいえ世界タイトル挑戦は現実化していない。

 2015年10月のプロデビュー以来、18連勝(10KO)したものの、2021年末にカナダ人サウスポーに翻弄されて初黒星。オーエンスとのカムバック戦は、どうしても勝たねばならないファイトだった。が、これで2連敗となった。

Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 アブドゥカホロフもまた、敗戦のダメージを引き摺っているように見えた。

 両者の階級、ウエルターはご存知のように、WBA/WBC/IBFチャンピオン、エロール・スペンス・ジュニア、WBOがテレンス・クロフォードである。彼らとチャンピオンの差は大き過ぎる。

 オーエンス、アブドゥカホロフは今後、どんな現役生活を送るのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事