安倍元総理の遺産である若者の支持を失いつつある岸田自民党
岸田文雄内閣の支持率が低迷しています。
・【図解】内閣支持26.3%、過去最低に=改造「評価せず」45%―時事世論調査(2023年10月12日 時事通信)
これまで、自由民主党(自民党)は、年齢が上昇するほど支持率が高まる傾向にあるといわれていましたが、故・安倍晋三元総理はアベノミクスによりそれまで停滞していた若者の雇用を大きく改善した結果、若者が自民党支持に転じたとされています。
しかし、どうやらその安倍元総理の遺産がなくなりつつあるようです。
小泉純一郎元総理による郵政解散に沸いた2005年の第44回衆議院議員総選挙でも、自民党支持率は20歳代21.9%、30歳代25.0%でしたが、2009年の第45回衆議院議員総選挙、いわゆる政権選択選挙で下野した麻生太郎内閣での20歳代19.9%、30歳代21.7%を底として、安倍元総理の最後の2017年第48回衆議院議員総選挙では、20歳代以下31.5%、30歳代29.0%と10ポイント近く若者の支持率を引き上げたことが分かります。
それに対して、50歳代以上の支持率は小泉内閣時代のそれを回復することはありませんでした。
岸田文雄総理のもとで2021年に挙行された第49回衆議院議員総選挙では、40歳代以下の支持率が低下する一方、50歳代以上の支持率は回復傾向にあり、対照的であることが分かります。
なお、本記事では示していませんが、2022年に行われた第26回参議院議員通常選挙においても同じく若者の自民党離れの傾向が確認できます。
なぜ、若者の支持が離れつつあるのかは、様々な理由があるものと思われます。
逆に言えば、若者が自民党離れを起こしつつあるいま、他の政党は、社会保障の削減による社会保険料の引き下げなど、若者が好む政策を提示すれば、かつての安倍自民党のように党勢を拡張できると思いますが、今のところそうした動きはあまり見られないようです。
衆議院の解散総選挙が近いのか遠いのかは筆者には皆目分かりませんが、エアポケット化しつつある若者の支持獲得を目指して、若者の利益を代弁する政党が出てくることに期待したいと思います。