籠池氏が無事退院 軍歌で戦意鼓舞「いざ安倍政権との戦場へ」
森友学園の前理事長、籠池泰典氏(66)が、きょう22日、無事退院した。「前立腺炎」と診断され16日に緊急入院。当初は「命に関わる」とまで言われたが、元気を取り戻し、医師の退院許可が出た。
「病は気から」いい休養になった
大阪・中之島の住友病院。妻の諄子さんが長男のお産をした病院でもある。病室を訪れると、籠池氏はすっかり退院準備が整っていた。そばにはもちろん、妻の諄子さん。2人は一心同体だ。
相澤)お元気そうですねえ。
籠池氏)すっかり元気になったよ。きょうの精密検査の結果が1週間後に出るから、その時また来るように言われたけど、それで終わり。卒業やね。
相澤)結局、原因は何だったんですか?
籠池氏)ようわからんのよ。でも自分では、一連の騒動、特にこのところ相次いだ自宅の競売、解体や(系列の)保育園の解体が大きかったと思ってる。自分では何とも思ってないつもりでもプレッシャーがあったんやろな。H弁護士(競売などを進めた森友学園の管財人)の顔がいつも浮かぶから。
相澤)お医者さんには何か言われましたか?
籠池氏)当分お酒は飲まないように。相澤さんには無理やろうけど(笑)。それとストレスをためないように言われたね。「病は気から」とお医者さんも話してた。やはり心をしっかり持たんといかんね。いつもの朝晩のお祈りを病室でもしましたよ。看護師さんに見られちゃったけどね。
得意の軍歌で自分を鼓舞「アリの一穴で政権倒す」
相澤)入院中はどうやって過ごしていたんですか?
籠池氏)軍歌です。妻(諄子さん)が帰って一人になったらいつも歌っていた。「加藤隼戦闘隊」とか「月月火水木金金」とかね。気持ちを高めて戦闘態勢を緩めることなく。月光仮面の歌も歌ったね。「この世の悪に敢然と 戦い挑んで去って行く」
相澤)何に対する戦いですか?
籠池氏)それは当面は(補助金事件の)刑事裁判。相手は検察なんやけど、もっと言えばその背後にある安倍政権やね。もう火ぶたは切っている。
相手はこちらを「ちょろい」と思っているかもしれないが、「アリの一穴」という言葉もある。私が動く限り、「アリの一穴」が「二穴」「三穴」になり、どんどん広がっていって、ついには堅固な堤も崩れる。国民の怨嗟の声と一緒になって、強固に見えた安倍政権もついえさる。
「安保闘争のように頑張ってほしい」
相澤)どのように国民に訴えていくんですか?
籠池氏)安保闘争のことを思い出してほしい。あの時代のように国民に頑張ってほしい。
相澤)籠池さんが安保闘争を持ち出すとは意外ですね。安保闘争を評価しているんですか?
籠池氏)日米地位協定のことなんかを考えたら、安保反対は正しかった。今考えたらね。70年安保の時、三島由紀夫は学生に「天皇制以外は君らと考えは同じ」と言った。三島由紀夫の考えは私と同じですよ。
「新型兵器 持っていく」
相澤)あさって(24日)は東京で講演とシンポジウムがあります。
籠池氏)大勢の方に話を聞いてほしいけど、聞いてるだけではいかんので、選挙にどう対応するか、ぜひ考えてほしい。そのためにあさっては新型兵器を持っていきますよ。今は言えないけどね。国民に考えてもらうための材料を出します。
一番は妻のお茶漬け
相澤)入院生活を振り返っていかがでしたか?
籠池氏)そりゃもう、いい休養になりました。よく寝ました。これからの戦闘態勢が整いました。
相澤)退院して食べたいものは?
籠池氏)中央公会堂(大阪市役所の隣)のハヤシライスやね。おいしいんですよ。でも一番は自宅で食べる妻のお茶漬けかな。
退院の一句で保守の本領発揮
最後に、もはや恒例となっている「ここで一句」をお願いしたところ、籠池氏がひねったのがこの句だ。
「薫風に 鯉口切って 駆ける我」
初夏のさわやかな風が吹き抜ける日に退院し、刀の鯉口を切って戦いの態勢万全で駆け行く自分をイメージしたという。
軍歌と言い、鯉口切ってと言い、籠池氏の本領発揮である。その保守思想はいささかも変わっていない。変わったのは安倍首相への評価である。
あさって24日は東京・文京区で、26日には横浜で、いずれも籠池夫妻を招いてのシンポジウムや講演が行われる。そして来週29日から、大阪地裁で補助金事件の刑事裁判が再開される。籠池夫妻の闘いは終わらない。